« プロバイダ引っ越し | トップページ | BOOKOFFで石野真子『ゴールデン・ベスト』 »

2020年6月30日 (火)

7月の気になる新刊(新書・文庫・選書)

7月の気になる新刊から気になる新書・文庫・選書を、私の蔵書とリンクさせて紹介します。

◎岩波新書「「中国」の形成 現代への展望」岡本隆司
モンゴル帝国の継承者としての清朝については
大清帝国」「紫禁城史話」「清朝と近代世界
あたりがあります。

◎岩波新書「ジョージ・オーウェル―「人間らしさ」への讃歌」川端康雄
オーウェルの著作では「一九八四年」「カタロニア讃歌」があります。
「動物農園」は新潮「世界の文学」で読んでいます。

◎岩波新書「景観からよむ日本の歴史」金田章裕
手元には同じ著者による「古地図からみた古代日本」があります。
風景論では「日本の風景・西欧の景観
歴史的景観では「中世の東海道をゆく」が近そうです。

◎岩波新書「イスラームからヨーロッパをみる――社会の深層で何が起きているのか」内藤正典
本書は現代ヨーロッパ内部におけるイスラム問題でしょうが
うちにあるのは「オリエンタリズム」や「「イスラムvs.西欧」の近代」のような外部としてのイアスラムだけです。

◎講談社現代新書「日本人と山の宗教」菊地大樹
山岳宗教についてはやや古い雑誌の「現代宗教〈2〉特集・山岳宗教」。
仏教民俗学」も仏教の庶民信仰としての山岳信仰をあつかっています。

◎講談社現代新書「文字世界で読む文明論 比較人類史七つの視点」鈴木 董
氏の一連の新書はオスマンへの認識を改める衝撃的な物でした。
オスマン帝国」「パクス・イスラミカの世紀」「オスマン帝国の解体
が手元にあります。

◎講談社ブルーバックス「時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて」高水裕一
◎講談社ブルーバックス「時空のからくり 時間と空間はなぜ「一体不可分」なのか」山田克哉
この2冊で時空の問題にとりくでみましょうか。

◎ちくま新書「世界哲学史7 ―近代II 自由と歴史的発展」伊藤邦武、山内志朗、中島隆博、納富信留 編集
章立てからすると、ヘーゲルからはじまりフィヒテ、ニーチェ、マルクス、ダーウィン、フッサール、プラグマティズム、ベルクソンと網羅的に並んでいるようです。
むしろ、網羅的過ぎやしないか心配です。
同時代については「ヘーゲルからニーチェへ」「神を殺した男」などがあります。
アジアについては「現代アジア論の名著」にガンディの著書が紹介されているのみ、
日本については「文明論之概略を読む」がある程度です。

◎ちくま新書「死の病いと生の哲学」船木 亨
著者の実体験による哲学的なエッセイでしょう。いちばん近そうなのが「死に至る病」のような実存的なものでしょうか。

◎平凡社新書「ヤン・フスの宗教改革: 中世の終わりと近代の始まり」佐藤 優
フスについては「異端の精神史」「正統と異端」「千年王国の追求」でどうでしょう。


◎平凡社新書「平賀源内: 「非常の人」の生涯」新戸雅章
源内については「平賀源内」「日本の名著〈22〉」でまっとうなバイオグラフィはつかめますが、テスラ専門家の著者による天才発明家的源内像はどうなるでしょうか。

◎平凡社新書「愛犬の日本史: 柴犬はいつ狆と呼ばれなくなったか」桐野作人、吉門 裕
犬について書かれた歴史関連というと「生類をめぐる政治」ぐらいしかありません。

◎NHK出版新書「現代哲学の最前線」仲正昌樹
多くの入門書を手掛けている著者ですので、それらを纏めて全体を眺めたものでしょう。
私にとっての現代哲学は現代思想ブームまでですのでそれを補ってくれるのかはたまたお手上げとなるかが問題です。

◎白水社文庫クセジュ「ローマ帝国の衰退」ジョエル・シュミット
ローマ帝国は滅亡せず衰退しただけということのようです。
書棚のものでは「西ゴート王国の遺産」「至福千年」がかするかも。

◎ちくま学芸文庫「大元帥 昭和天皇」山田 朗
帝国の軍事最高指揮官としての天皇像でしょうか。

◎ちくま学芸文庫「記号論講義 ――日常生活批判のためのレッスン」石田英敬
現代思想ブームの時には丸山圭三郎の著作を読みましたし、今でも手元にある現代思想紹介の本には記号論は欠かせません。

◎ちくま学芸文庫「資本主義と奴隷制」エリック・ウィリアムズ
ヨーロッパの資本主義は奴隷貿易によって得られた富からうまれたとする本書は、乗り越えられるべき点も少なくないでしょうが、昨今の反差別運動へとまっすぐに繋がるアクチュアルな内容の古典です。
蔵書では「略奪の海カリブ」「新書アフリカ史」「大英帝国」など。

◎ちくま学芸文庫「叙任権闘争」オーギュスタン・フリシュ
教皇対皇帝による叙任権闘争そのものを扱ったものはありませんが、
神聖ローマ帝国」あたりでも当然触れられています。

◎講談社学術文庫「ロシア正教の千年」廣岡正久
ロシア正教については「ロシア精神の源」で。

◎講談社学術文庫「英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで」中島俊郎
イギリスの旅や庭園については「グランド・ツアー」や「楽園のイングランド」がピッタリでしょう。解説が「記憶術全史」の桑木野さんというのも期待です。

◎講談社学術文庫「ヨーロッパ世界の誕生 マホメットとシャルルマーニュ」アンリ・ピレンヌ
イスラムによってヨーロッパが生まれたという発想。
蔵書の「至福千年」や「都市の文明イスラーム」では若干ずれますが。

◎講談社選書メチエ「とうがらしの世界」松島憲一
香辛料そのものを扱ったものはありませんが「コロンブス」「東インド会社」が無関係なはずはありません。

◎講談社選書メチエ「笑いの哲学」木村 覚
分かりませんがタイトルだけならベルクソンみたいなものでしょうか。

◎筑摩選書「アジア主義全史」嵯峨 隆
どうしても右翼的方向を連想してしまいますが「近代アジア精神史の試み」あたりでいかがでしょう。

◎NHKブックス「魚食の人類史: 出アフリカから日本列島へ」島 泰三
食料としての魚なら「食と文化の謎」、漁業を含めた生活としては「人類の生活」あたりで。もちろんマリノフスキーも無関係ではありません。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「藤原仲麻呂と道鏡: ゆらぐ奈良朝の政治体制」鷺森浩幸
よみがえる古代文書」にもふれられていますが、もちろん「続日本紀」が基本です。孝謙女帝は興味深い存在です。

今月の目玉
新書は充実しています
「ジョージ・オーウェル」と「ヤン・フスの宗教改革」がイチオシ。
中国史と世界哲学史のシリーズは欠かせないし
大穴は「平賀源内」かも。

文庫の「英国流 旅の作法」は間違いなく面白そう。
古典的な名著「叙任権闘争」や「ヨーロッパ世界の誕生」「資本主義と奴隷制」は読んでおけよという類のものでしょう。
選書は弱く、「藤原仲麻呂と道鏡」は今までにない切り口ならいいけれど。

 

|

« プロバイダ引っ越し | トップページ | BOOKOFFで石野真子『ゴールデン・ベスト』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« プロバイダ引っ越し | トップページ | BOOKOFFで石野真子『ゴールデン・ベスト』 »