« 「チェコSF短編小説集」 | トップページ | 伊藤つかさ『ゴールデン☆ベスト』 »

2019年7月30日 (火)

8月新刊から気になる新書・文庫・選書

8月新刊から気になる新書・文庫・選書を私の蔵書とリンクさせてピックアップしました。
◎岩波新書「2100年の世界地図 アフラシアの時代」峯 陽一
次はどこの時代といっても最終的には国際資本が肥え太るだけという感はあります。
関連するのは「現代アフリカ入門」と「新世界秩序を求めて」ぐらいでしょうか。

◎岩波新書「奴隷船の世界史」布留川正博
世界史とありますが16世紀から19世紀にかけての大西洋奴隷貿易がテーマです。
奴隷を取りまく経済なら「近代世界システム 1600~1750
奴隷船については「大帆船時代
新大陸での奴隷については「略奪の海カリブ」「南米ポトシ銀山
奴隷を取られた側は「新書アフリカ史
と、奴隷貿易なら本棚にも何冊かありますが、あえて“奴隷船”というあたりが注目です。

◎中公新書「太閤検地-秀吉が目指した国のかたち」中野 等
秀吉の経済感覚」が近いところでしょう。

◎中公新書「織田信忠―天下人の嫡男」和田 裕
本能寺で死ななければ、信長亡き後を継いでいたのは間違いなく信忠だったわけですから気になりますが、そんな興味は歴史学ではないですね。

◎講談社現代新書「資本主義に出口はあるか」荒谷大輔
著者が資本主義からどこへの「出口」を論じているのか分かりませんが、哲学者に流行の社会学者たちの著書と違う視点があるのかが楽しみです。
うちにあるものでは「「欲望」と資本主義」「「資本」論」あたりが絡むのかもしれません。

◎講談社ブルーバックス「プリンシピア 自然哲学の数学的原理 第3編 世界体系」アイザック・ニュートン
「プリンシピア」新書復刊の最終巻。

◎講談社ブルーバックス「我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの」藤崎慎吾
合成生物学という全く未知の分野ですので期待します。

◎ちくま新書「明智光秀と本能寺の変」渡邊大門
いまさらの本能寺。その謎を解くことに歴史小説的興味以外価値はないような気もします。
もちろん知りたい人はたくさんいるのでしょうが。

◎ちくま新書「アフリカを見る アフリカから見る」白戸圭一
またしてもアフリカ。「現代アフリカ入門」でいかがでしょう。

◎ちくまプリマー新書「はじめてのギリシア神話」松村一男
ギリシア神話についてはアポロド-ロスをはじめいくつかありますが、神話の内容を知るためには呉 茂一のものがいちばん役に立ちます。

◎平凡社新書「さし絵で楽しむ江戸のくらし」深谷 大
江戸名物評判記案内」や「江戸の見世物」なども関連するでしょうが、もっと日常的なくらしがテーマでしょう。

◎集英社新書「資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐」マルクス・ガブリエル, 斎藤 幸平他
上の「資本主義に未来はあるか」と似た発想でしょうか。

◎白水社文庫クセジュ「サン゠シモンとサン゠シモン主義」ピエール・ミュッソ
サン=シモンの著作では「世界の名著 42」に「産業者の教理問答」が収録されています。
また「現代ヨーロッパ社会思想史」はその第1章をサン=シモンから始めています。
一方、サン=シモン主義者たちによる産業活動についてはまとまったものがないので気になります。

◎ちくま学芸文庫「古代アテネ旅行ガイド: 一日5ドラクマで行く」フィリップ・マティザック
ギリシア案内記」がネタになっているのでしょうか。

◎ちくま学芸文庫「交易の世界史 上: シュメールから現代まで」ウィリアム・バーンスタイン
◎ちくま学芸文庫「交易の世界史 下: シュメールから現代まで」ウィリアム・バーンスタイン
「華麗なる交易」の文庫化。好きな分野ですし、「洒落者たちのイギリス史」「東インド会社」「大航海時代」「茶の世界史」など関連する本は多数手元にあります。

◎ちくま学芸文庫「賤民とは何か」喜田貞吉
古典的名著です。このテーマで手元にあるのは「身分差別社会の真実」ぐらいです。

◎講談社学術文庫「中世ヨーロッパの結婚と家族」ジョゼフ・ギース,フランシス・ギース
中世ヨーロッパの日常生活については「中世に生きる人々」「中世イタリア商人の世界」あたりでしょうか。

◎講談社学術文庫「方言の地図帳」佐藤亮一,真田信治,篠崎晃一,徳川宗賢
田舎者ゆえ方言には敏感です。手元にあれば楽しめそうな1冊です。

◎講談社学術文庫「金魚と日本人」鈴木克美
金魚についてふれているのは「干支(エト)セトラ、etc.」ぐらいです。

◎講談社学術文庫「漢方医学 「同病異治」の哲学」渡辺賢治
中国名医列伝には当然ながら漢方医が紹介されています。

◎角川ソフィア文庫「千夜千冊エディション 神と理性 西の世界観I」松岡正剛
松岡正剛の著作では「遊学I ・II」があります。千夜千冊のサイトを見ていますから今さら読まないでしょうね。

◎平凡社ライブラリー「増補 闘うレヴィ=ストロース」渡辺公三
著作では「世界の名著 59」に「悲しき熱帯」が収録され、「人種と歴史」「アスディワル武勲詩」が本棚にあります。
解説書では「レヴィ=ストロース入門」などがあります。理論的なものはありませんね。

◎講談社選書メチエ「月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史」サーシャ・バッチャーニ
ナチスのユダヤ人迫害については「ヒムラーとヒトラー」で。本書は終戦間近に起きた事件を当事者の子孫が解明するというルポ。

◎角川選書「戦国大名・伊勢宗瑞」黒田基樹
北条早雲ほど、その出自についての認識が一変した戦国大名はいないでしょう。もはや名前も北条早雲ですらありません。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「〈謀反〉の古代史: 平安朝の政治改革」春名宏昭
平安王朝」がもっとも近いでしょう。

今月の目玉は
新書は「サン=シモンとサン=シモン主義」と「奴隷船の世界史」。
「資本主義に出口はあるか」も気になります。
文庫では、「中世ヨーロッパの結婚と家族」。
「古代アテネ旅行ガイド」「方言の地図帳」も気楽に楽しめそう。
選書で「月下の犯罪」でしょう。
悪くはないラインナップです。

 

|

« 「チェコSF短編小説集」 | トップページ | 伊藤つかさ『ゴールデン☆ベスト』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「チェコSF短編小説集」 | トップページ | 伊藤つかさ『ゴールデン☆ベスト』 »