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2019年6月28日 (金)

7月の新書・文庫・選書の新刊

7月の新刊から気になる新書・文庫・選書を私の蔵書とリンクさせて紹介します。

◎岩波新書「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」大木 毅
独ソ戦については「歴史群像シリーズ43 アドルフ・ヒトラー」ぐらいでしょうか。

◎岩波新書「南北戦争の時代 19世紀」貴堂嘉之
先月の予定がずれ込みました。

◎岩波新書「モンテーニュ 人生を旅するための7章」宮下志朗
著者のものでは「ラブレー周遊記」があります。
モンテーニュについては「モラリスト」「ルネサンスの思想家たち」ですが、私の興味はむしろ「怪物のルネサンス」や「植民地幻想」で扱われるモンテーニュだったりします。

◎中公新書「ヒトラーの時代-ドイツ国民はなぜ独裁者に熱狂したのか」池内 紀
池内氏の著書では「悪魔の話」「世紀末と楽園幻想
幻獣の話」「架空旅行記」「ぼくのドイツ文学講義」があり、
訳書では「カフカ短篇集」「カフカ寓話集」があります。
というわけで、まさか悪魔に魅せられたドイツ国民という話ではないとは思いますが、どうでしょう。
世紀末ドイツの若者」が参考になりそうです。

◎中公新書「藩とは何か-「江戸の泰平」はいかに誕生したか」藤田達生
これまであまり顧みられなかった、藩から見た江戸時代でしょうか。
書棚では「殿様と鼠小僧」や「将軍と側用人の政治」程度が関係しているのかもしれません。

◎中公新書「大隈重信(上)-「巨人」が夢見たもの」伊藤之雄
◎中公新書「大隈重信(下)-「巨人」が築いたもの」伊藤之雄
手元にあるので大隈が登場するのは「明治六年政変」「明治デモクラシー」ぐらいですが。
著者は維新の元勲たちを正当に評価することを目指しているようで、それがただの偉人伝に見えてしまうのは私のひねくれによるものでしょう。

◎講談社現代新書「戦争の記憶 コロンビア大学特別講義 学生との対話」キャロル・グラック
類書は持ち合わせていません。たぶん右翼に批判される本なのだろうということはわかります。

◎講談社ブルーバックス「プリンシピア 自然哲学の数学的原理 第2編 抵抗を及ぼす媒質内での物体の運動」アイザック・ニュートン
シリーズ第3弾。
たぶん読みませんがいちおう挙げておきます。

◎ちくま新書「昭和史講義【戦前文化人篇】」筒井清忠
誰が取り上げられているのか詳細は知りませんが、私の蔵書とはあまり縁がない人が多そうです。例示されているなかでは柳田国男、和辻哲郎ぐらいで、ほかに蔵書で戦前の文化人といえるのは日本史関係を除けば南方熊楠ぐらいでしょうか。

◎ちくま新書「キリスト教と日本人: 宣教史から信仰の本質を問う」石川明人
なぜ日本ではキリスト教が広まらないのか、その謎が解かれているのならばすばらしい。
“固定観念を問い直す”とは唯一神についての観念でしょうか。

◎岩波文庫「ユグルタ戦争 カティリーナの陰謀」サルスティウス
同時代の戦記ではカエサルによる「ガリア戦記」「内乱記」が手元にあります。
ローマ史関連では「皇帝たちの都ローマ」あたりでしょう。

◎岩波文庫「独裁と民主政治の社会的起源 (下): 近代世界形成過程における領主と農民」バリントン・ムーア
5月刊の(上)に続く下巻です。インドと日本を扱っているそうです。

◎岩波現代文庫「ボンヘッファー 反ナチ抵抗者の生涯と思想」宮田光雄
ボンヘッファーは反ナチ抵抗運動で処刑されたキリスト教神学者。
著者のものでは「非武装国民抵抗の思想」があります。

◎ちくま文庫「アサイラム・ピース」アンナ・カヴァン
恥ずかしながらまったく知りませんでしたが、カフカ系というので一度は読んでみたいものです。

◎ちくま学芸文庫「世界の根源: 先史絵画・神話・記号」アンドレ・ルロワ=グーラン
タイトルの書き方からして「宇宙樹・神話・歴史記述」あたりが近そうな気がします。

◎講談社学術文庫「満鉄全史 「国策会社」の全貌」加藤聖文
満鉄については「歴史群像シリーズ84 満洲帝国」にあります。
満州国については「偽満州国論」「キメラ」。満鉄というよりも文化的な視点です。

◎講談社学術文庫「戦国時代」永原慶二
なぜか小学館ライブラリーのだけ持っています。

◎講談社学術文庫「箴言集」フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー
ロシュフコーも「モラリスト」で取り上げられています。

◎講談社学術文庫「神主と村の民俗誌」神崎宣武
氏の著作では「物見遊山と日本人」「盛り場の民俗史」。ともに読みごたえがありましたし面白い。
本書のテーマでは「宗教民俗学への招待」「冠婚葬祭」と概論的なものしかありません。

◎講談社学術文庫「アイヌの世界観 「ことば」から読む自然と宇宙」山田孝子
オリジナルの講談社メチエはあります。

◎角川ソフィア文庫「稲生物怪録」京極夏彦、 東 雅夫
この記録については「怨念の日本文化―妖怪篇」で触れています。

◎光文社古典新訳文庫「ロビン・フッドの愉快な冒険」ハワード・パイル
アメリカで書かれた子供向けの絵物語。
本書を含む児童文学などへの影響については「ロビン・フッド物語」にあり、ロビン・フッド物語そのもについては「ロビン・フッド」で詳細に解明されています。
また、ロビン・フッドの文化史的な意味については「森のイングランド」も重要です。

◎平凡社ライブラリー「中世思想原典集成 精選5 大学の世紀1」上智大学中世思想研究所
うちの本では「中世の知識人」あたりが近そうな。

◎講談社選書メチエ「解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」橋本 努
「プロ倫」の岩波文庫版はあります。入門書なら「マックス・ヴェーバー入門」でどうでしょう。

◎講談社選書メチエ「ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ」島 泰三
犬については「家畜系統史」などという古い本がありますが、おそらく関係ないでしょう。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「海辺を行き交うお触れ書き: 浦触の語る徳川情報網」水本邦彦
江戸時代の海運については「流通列島の誕生」ぐらいです。
前後の時代なら「海の国の中世」「日本海繁盛記」も関連します。


今月はの目玉は「モンテーニュ」「藩とは何か」。
「南北戦争の時代」も「ヒトラーの時代」も気になります。
新書ばかりです。
不作ではないけれど、これぞというのがなかった気がします。

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