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2019年2月27日 (水)

3月の新書・文庫・選書新刊

3月の新書・文庫・選書新刊から気になるものを私の蔵書とリンクさせて紹介します。

◎岩波新書「イタリア史10講」北村暁夫
中公の通史「物語イタリアの歴史」を意識しているでしょう。時代ごとでは「ローマ五賢帝」「中世シチリア王国」「メディチ家」あたりが書棚にあります。著者の専門が近現代史ですので、穴を埋めてくれれば助かります。

◎岩波新書「伊勢神宮と斎宮」西宮秀紀
このテーマでは「アマテラスの誕生」「神道の成立」「巫女の文化」あたりが関連してくるのでは。

◎中公新書「古代日中関係史-倭の五王から遣唐使以降まで」河上麻由子
倭の五王や聖徳太子もありますが、日中関係の流れというと「古代の東アジアと日本」「倭国―東アジア世界の中で」あたりでしょうか。

◎中公新書「漢字の字形-甲骨文字から篆書、楷書へ」落合淳思
著者のものでは「古代中国の虚像と実像」があります。
漢字の成立に関しては「文字の文化史」「文字遊心」ぐらいしか手元にありません。

◎講談社現代新書「進化する形 進化発生学入門」倉谷 滋
進化発生学といわれてもピンときません。うちにあるのでは「生命の起源を探る」あたりが関連するのでしょうか。

◎講談社現代新書「社会学史」大澤真幸
アリストテレスから始まり現在まで、ほとんど思想史全般ですので、関連しそうな蔵書はけっこうありますが、社会学的な視点から見ると「現代社会学の名著」「文化人類学15の理論」「マックス・ヴェーバー入門」ぐらいでしょうか。

◎ちくま新書「言語学講義: その起源と未来」加藤重広
言語学については「言語学の誕生」「言語学とは何か」あたりがあります。

◎ちくま新書「こころの人類学: 人間性の起源を探る」煎本 孝
“起源”といわれると違うかもしれませんがリーチの「社会人類学案内」あたりでしょうか。

◎角川新書「「「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨」大木 毅
ロンメルについては、「歴史群像シリーズ43 アドルフ・ヒトラー 戦略編」ぐらいです。

◎岩波文庫「意味の深みへ: 東洋哲学の水位」井筒俊彦
氏の著作では「イスラーム思想史」「イスラーム文化」がありますが、より思弁的な本書は歯が立ちそうにないでしょう。

◎岩波文庫「日本漫画史: 鳥獣戯画から岡本一平まで」細木原青起
通史的に便利かもしれません。

◎岩波現代文庫「ベンヤミン: 破壊・収集・記憶」三島憲一
ベンヤミンの著作では「暴力批判論 他十篇」「ボードレール 他五篇」があり、ベンヤミンについては今村哲司の「ベンヤミンの「問い」」が刺激的です。
著者の著作では「ニーチェ」、訳書では「近代の小道具たち」「近代の哲学的ディスクルス」があります。

◎岩波現代文庫「新版 天使の記号学: 小さな中世哲学入門」山内志朗
ルネサンスの思想にしても中世哲学の基礎がないと理解できないわけでしょうが、私にはチンプンカンプンです。「中世哲学への招待」などというのは書棚にありますけれど。

◎ちくま学芸文庫「神話学入門」大林太良
中公新書版は持っています。この本によって卒論を(ウィーン民族学派の)神話学にしたぐらいですから私にとっては忘れられない1冊です。
他にも「稲作の神話」「日本神話の比較研究
世界の女性史〈1〉神話の女」「世界の女性史〈2〉未開社会の女」「神話と神話学
世界の神話」「邪馬台国」「神話の系譜
葬制の起源」「世界神話事典」と、著作はそこそこ
持っています。訳書も「民族学入門」「殺された女神」があります。

◎ちくま学芸文庫「バクトリア王国の興亡: ヘレニズムと仏教の交流の原点」前田耕作
著者のものでは「宗祖ゾロアスター」「玄奘三蔵、シルクロードを行く」。
訳書では「デュメジル・コレクション1・3・4」
バクトリアについては「シルクロードの古代都市」「砂漠の文化」あたり。

◎講談社学術文庫「潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆」大橋幸泰
鎖国についてならいくつかありますが、この主題では蔵書にはありません。

◎光文社古典新訳文庫「ソヴィエト旅行記」ジッド
ジッドのものではお気に入りの「背徳者」があります。これは共産党独裁体制告発の書です。
関係あるのかどうか「農民ユートピア国旅行記」というソビエト時代のユートピア小説もあります。

◎平凡社ライブラリー「中世思想原典集成 精選3 ラテン中世の興隆1 」上智大学中世思想研究所 編訳・監修
上の「天使の記号論」と関連するのでしょう。

◎講談社選書メチエ「創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで」松本卓也
これまた手広い。狂気についてなら「術語集」でも扱っていますし「フーコー―知と権力」でも重要なテーマです。しかし、著者は精神病理の人ですから、心理学について行けない私にはきついかも。

◎角川選書「古琉球 海洋アジアの輝ける王国」村井章介
著者のものでは「中世倭人伝」「海から見た戦国日本」。
沖縄についてはほかに「琉球王国」「沖縄の神話と民俗」あたり。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「徳川家康と武田氏: 信玄・勝頼との十四年戦争」本多隆成
検証戦国城砦攻防戦」に高天神城が扱われていますが、いまさら戦記読み物ではないでしょうね。

◎平凡社ブックレット〈書物をひらく〉「オーロラの日本史: 古典籍・古文書にみる記録」片岡龍峰、岩橋清美
うちには「日本の天文学」がありますが、天文古記録は興味があります。

◎平凡社ブックレット〈書物をひらく〉「御簾の下からこぼれ出る装束: 王朝物語絵と女性の空間」赤澤真理
王朝期の女性を扱ったものでは「中世に生きる女たち」「平安朝の母と子」があります。

今月の目玉は
新書では「イタリア史10講」「伊勢神宮と斎宮」「古代日中関係史」
「社会学史」「言語学講義」
文庫では「ベンヤミン 破壊・収集・記憶」
選書では「古琉球」「オーロラの日本史」
これぞといった1冊はありませんが新書が充実しています。

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