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2018年5月30日 (水)

6月新刊

6月新刊から気になる新書・文庫・選書をピックアップしました。今月はなぜか中公新書・文庫もあります。

◎岩波新書「東大寺のなりたち」森本公誠
著者の森本氏は東大寺長老と同時にイスラム学の権威として知られています。「歴史序説」の訳並びに「人類の知的遺産 22 イブン=ハルドゥーン」は手元にあります。
東大寺創建についてはもちろん「続日本紀」に記事があります。

◎中公新書「帝国議会―西洋の衝撃から誕生までの格闘」久保田 哲
うちにあるのは「自由民権」「明治デモクラシー」ですが、おそらく本書は伊藤博文寄りの記述ではないでしょうか。

◎中公新書「幸福とは何か - ソクラテスからアラン、ラッセルまで」長谷川 宏
古代ギリシアの思想」とか「十八世紀イギリス思想史」あたりでももちろん触れているのですが、幸福論的なものは手元にありません。


◎中公新書「温泉の日本史 - 記紀の古湯、武将の隠し湯、温泉番付」石川理夫
それ以前はありませんが、江戸時代のことなら「物見遊山と日本人」「江戸の旅」「江戸文化評判記」あたりで触れています。

◎中公新書「日本語を翻訳するということ - 失われるもの、残るもの」牧野成一
日本語特有の問題なのか、翻訳そのものの問題なのか、本書が扱うのはどちらでしょう。あまり日本語の特殊性に向かうとつまらないような気がします。

◎中公新書「植物のひみつ - 身近なみどりの“すごい能力"」田中 修
植物についての理科系の本は持っていません。せいぜい「栽培植物と農耕の起源」「平行植物」ぐらいです。

◎講談社現代新書「海賊の日本史」山内 譲
世界史をつくった海賊」がありますが、日本史では「古代末期の反乱」「武士の誕生」「海から見た戦国日本」など時代ごとには登場しますが通史はありません。

◎講談社現代新書「はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで」中村隆之
おそらくは「市場社会の思想史」「思想としての近代経済学」あたりとリンクするはずです。

◎ちくま新書「ヨーロッパ 繁栄の19世紀史: 消費社会・植民地・グローバリゼーション」玉木俊明
この時代というと「大英帝国」「イギリス近代史講義」のように、どうしてもイギリス中心になってしまいます。「博覧会の政治学」「デパートを発明した夫婦」あたりも関係するのでしょうか。

◎ちくま新書「現代思想講義: 人間の終焉と近未来社会のゆくえ」船木 亨
人間の終焉などというと「フーコー―知と権力」が絡むのか、大衆社会などというと「世界の名著 オルテガ」が絡むのか、気になるところです。「近代性の構造」も近い気がしますがどうでしょう。

◎平凡社新書「ヒトラーとUFO: 謎と都市伝説の国ドイツ」篠田航一
世紀末ミュンヘン」「ヒムラーとヒトラー」あたりがかすっているでしょうか。

◎平凡社新書「風土記から見る日本列島の古代史」瀧音能之
風土記」はもちろんですが「蝦夷の古代史」も関連するでしょう。

◎平凡社新書「バッハ: 「音楽の父」の素顔と生涯」加藤浩子
類書はありません。ただの伝記なら詰まりませんが。

◎岩波文庫「寛容についての手紙」ジョン・ロック
ロックで手元にあるのは「市民政府論」。寛容についてはヴォルテールの「哲学事典」にもあります。

◎ちくま学芸文庫「20世紀の歴史 上: 両極端の時代」エリック・ホブズボーム
彼の著書は「反抗の原初形態」「創られた伝統」が本棚にあります。

◎ちくま学芸文庫「古代ローマ旅行ガイド: 一日5デナリで行く」フィリップ・マティザック
ローマのことなら「皇帝たちの都ローマ」、ローマ時代の旅行案内なら「ギリシア案内記」があります。

◎ちくま学芸文庫「ナショナリズムとは何か」アントニー・D・スミス
蔵書では「想像の共同体」かなあ。ほかにもありそうですが。

◎ちくま学芸文庫「博徒の幕末維新」高橋 敏
同じ著者による「国定忠治」があります。これは面白かった。

◎講談社学術文庫「興亡の世界史 人類文明の黎明と暮れ方」青柳正規
著者はローマが専門。「皇帝たちの都ローマ」「トリマルキオの饗宴」が書棚にあります。“ヒトの誕生から古代地中海世界まで。長大な文明史の「見取り図」”とは、やや大きすぎやしませんか。

◎講談社学術文庫「社会学的方法の規準」エミール・デュルケーム
デュルケームでは「宗教生活の原初形態」があり、社会学全般については「現代社会学の名著」ですませています。

◎講談社学術文庫「「神国」日本 記紀から中世、そしてナショナリズムへ」佐藤弘夫
同じ著者の「偽書の精神史」は傑作です。
神国については「神風と悪党の世紀」あたりでどうでしょう。

◎中公文庫「ケルトの歴史と文化(上下) 」木村正俊
わが家にあるケルト関連はほとんどが神話と伝説と妖精です。まっとうな歴史は「アイルランド」「物語アイルランドの歴史」「ケルトの宗教ドルイディズム」です。

◎中公文庫「アジア史概説」宮崎市定
アジア史の権威である著者による「史記を語る」「謎の七支刀」「東西交渉史論」はあります。

◎河出文庫「辺境を歩いた人々」宮本常一
なかで扱われている人物では松浦武四郎についてのみ「静かな大地」が手元にあります。
内容的には「東西/南北考」あたりとつながっているのかもしれません。

◎角川ソフィア文庫「縄文土器・土偶」井口直司
◎角川ソフィア文庫「縄文人の死生観」山田康弘
縄文時代本2題。
考古学弱いので「昔話の考古学」ていどしかありません。

◎平凡社ライブラリー「イザベラ・バードのハワイ紀行」イサベラ・バード
彼女の「日本紀行」は上巻だけあります。観光地前のハワイについては「イメージの「楽園」」がぴったり。本書も取り上げられています。

◎講談社選書メチエ「主権の二千年史」正村俊之
民主主義なら「近代政治思想の誕生」、主権については「人間と国家」なんてのはありますが、どの辺がちかいでしょうか。

◎講談社選書メチエ「七十人訳ギリシア語聖書入門」秦 剛平
「聖書」は古い訳があります。七十人訳聖書については「はじめての死海写本」で触れています。

◎角川選書「マルクス 資本論 シリーズ世界の思想」佐々木隆治
マルクス関連は廣松さんのをはじめかなり処分してしまいました。「『資本論』の常識」はやや古いですね。

◎角川選書「ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで」橋本陽介
マルケスもイシグロもありません。うちにあるノーベル賞作家は
アナトール・フランス
トーマス・マン
アンドレ・ジッド
アルベール・カミュ
ジャン=ポール・サルトル
ウィリアム・ゴールディング
大江健三郎
J・M・クッツェー
ル・クレジオ
これでも非文学的な私にしては読んでいる方だと思います。なぜかフランスに偏ってますね。

◎平凡社選書「近世金沢の銀座商人: 魚問屋、のこぎり商い、薬種業、そして銀座役」中野節子
江戸期の商業を扱っているのは「流通列島の誕生」ぐらいしかありません。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「踏絵を踏んだキリシタン」安高啓明
キリシタンについては「南蛮太閤記」がいちばん触れているのかも。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「江戸無血開城: 本当の功労者は誰か?」岩下哲典
新政府軍側の当事者「西郷隆盛」があるぐらいです。ただし本当の功労者として山岡鉄舟と高橋泥舟を挙げるのなら、勝海舟の役割が大きかろうが小さかろうが大きな違いはなかろうと思います。


今月は新書に読みたい本が多くあります。
ひとつあげると「ヨーロッパ 繁栄の19世紀史」でしょうか。「風土記から見る日本列島の古代史」も「現代思想講義」「帝国議会」も気になります。
文庫では「ケルトの歴史と文化」
選書では「主権の二千年史」かな。

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