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2017年12月 5日 (火)

気になる 12月新刊

新書・文庫・選書の気になる12月新刊の紹介が遅れていたら中公新社の新刊も発表になっていました。
蔵書と関連させて紹介します。

◎岩波新書「トマス・アクィナス――理性と神秘」山本芳久
トマス・アクィナスの著作ではメインから外れた「君主の統治について」のみがあります。
彼の哲学については「中世哲学への招待」「西洋古代・中世哲学史」。

◎岩波新書「義経伝説と為朝伝説――日本史の北と南」原田信男
なぜ源氏嫡流の伝説が蝦夷と琉球を目指すのか。伝説については「日本架空・伝承人名事典」「日本異界絵巻」。歴史的な文脈では「源義経」「蘇る中世の英雄たち」あたりです。

◎岩波新書「語る歴史,聞く歴史――オーラル・ヒストリーの現場から」大門正克
近そうなのが「近代日本の民間学」「民俗学への招待」ですが、たぶん違うでしょう。

◎岩波ジュニア新書「榎本武揚と明治維新――旧幕臣の描いた近代化」黒瀧秀久
幕臣が作った専門学校についての「工手学校」にも武揚が登場します。

◎中公新書「日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実」吉田 裕
大戦物もいくつかありますがいちばん関係ありそうなのが「日中戦争」ぐらいです。きっと悲しくなるような本だと思います。

◎中公新書「藤原氏―権力中枢の一族」倉本一宏
天皇家と藤原氏の関係をどう見るのか新たな側面が見えてくるかも知れません。
摂関政治については「平安王朝」「藤原定家の時代」あたりです。

◎中公新書「剣と清貧のヨーロッパ - 中世の騎士修道会と托鉢修道会」佐藤彰一
たぶん「「北の十字軍」「聖堂騎士団」「修道院」あたりが近いでしょう。

◎中公新書「ナポレオン時代 - 英雄は何を遺したか」アリステア・ホーン
ナポレオンについてちゃんと書いてる本は手元にありませんでした。「ナポレオン」ぐらいです。

◎講談社現代新書「世界神話学入門」後藤 明
著者のものでは「ハワイ・南太平洋の神話」があります。
いちおう神話学は卒論のテーマだったので、エリアーデとかデュメジルとかイェンゼンとかいくつか蔵書がありますがいちばん手ごろなのは大林さんの「神話学入門」でしょうか。「日本神話と印欧神話」的な視点もあるみたいです。

◎講談社ブルーバックス「我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち」川端 裕人,海部 陽介
メインタイトルだけだと何の本かわかりませんが、サブにあるように原人‐旧人‐新人と進化するなかでなぜホモサピエンスだけが生き残ったのかという話のようです。「「人類の起原」大論争」でどうでしょう。

◎講談社ブルーバックス「ペンローズのねじれた四次元〈増補新版〉 時空はいかにして生まれたのか」竹内 薫
全然わかりませんが覗いてみたい気はします。

◎講談社ブルーバックス「時計の科学 人と時間の5000年の歴史」織田一朗
こちらはメカニックについての本でしょうが、私の本棚にあるのは「時計の社会史」ぐらいです。

◎ちくま新書「脳の誕生: 発生・発達・進化の謎を解く」大隅典子
これも人類の進化ですか?ともかく進化の話は興味深いです。

◎ちくま新書「集中講義! ギリシア・ローマ」桜井万里子、本村凌二
桜井さんの著作では「古代ギリシアの女たち」「古代オリンピック」。共訳では「異端の精神史」。本村氏のものではローマ関連ではなく「馬の世界史」。

◎ちくま新書「ブッダたちの仏教」並川孝儀
仏教関連では「仏教誕生」がいちばん近いでしょう。

◎ちくま新書「大坂 民衆の近世史: 老いと病・生業・下層社会
大坂に焦点を合わせた本は手元にありませんが「身分差別社会の真実」「流通列島の誕生」あたりでも触れているはずです。

◎ちくま新書「西郷隆盛――手紙で読むその実像
西郷隆盛」なんていうのはあります。
真面目そうでも大河便乗本ですね。

◎ちくまプリマー新書「ニッポンの肉食: マタギから食肉処理施設まで」田中康弘
たとえば「東西/南北考」もマタギに触れていますが、肉食がテーマというわけではありません。

◎平凡社新書「通じない日本語: 世代差・地域差からみる言葉の不思議」窪薗晴夫
関係あるのは「日本の方言」ぐらいです。

◎角川新書「東大教授の「忠臣蔵」講義」山本博文
忠臣蔵については通俗本以外まったく持っていません。

◎文春新書「1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか ドイツ・システムの強さと脆さ」飯倉 章
ドイツ軍については「ドイツ参謀本部」でどうでしょう。

◎岩波文庫「ブータンの瘋狂聖 ドゥクパ・クンレー伝」ゲンデュン・リンチェン編
チベット仏教僧ドゥクパ・クンレーの伝説的伝記。彼の属していた宗派については「チベット密教」あたりを参照。

◎岩波現代文庫「ラテンアメリカ五〇〇年―歴史のトルソー」清水 透
ラテンアメリカ史では手元に「物語ラテン・アメリカの歴史」があります。

◎岩波現代文庫「ブッダの生涯 〈仏典をよむ〉」中村 元
中村先生の訳による「スッタニパータ」は私が愛する経典です。

◎ちくま学芸文庫「ロック入門講義: イギリス経験論の原点」富田恭彦
ロックのものでは「市民政府論」があります。ロックは17世紀の人ですが「十八世紀イギリス思想史」でも触れています。

◎ちくま学芸文庫「ハーバート・スペンサー コレクション」ハーバード・スペンサー
スペンサーの社会進化論は「進歩の発明」にあります。

◎ちくま学芸文庫「鉱物 人と文化をめぐる物語」堀 秀道
関係ありそうなのは「バロック科学の驚異」「地下世界」あたりでしょうか。

◎講談社学術文庫「興亡の世界史 大英帝国という経験」井野瀬久美惠
ヴィクトリア朝関連の社会史は大好きですが興亡のというと「大英帝国」ぐらいでしょうか。

◎講談社学術文庫「流線形の考古学 速度・身体・会社・国家」原 克
イタリア未来派あたりをイメージしてるのでしょうか。うちにあるのでは「ロシア・アヴァンギャルド」がかろうじてかすります。

◎講談社学術文庫「皇后考」原 武史
近代の皇后についてですね

◎講談社学術文庫「天皇の歴史1 神話から歴史へ」大津 透
古代史は好きですから、本書のタイトルからはほぼ想像つきます。挙げるとすれば「古事記と日本書紀」「日本の誕生」あたりでどうでしょう。

◎中公文庫「背教者ユリアヌス(一) 」辻 邦生
以前の中公文庫版はあります。大好きな小説です。

◎角川ソフィア文庫「室町幕府崩壊」森 茂暁
著者のものでは「皇子たちの南北朝」。崩壊といっても嘉吉の乱ですから普通には室町絶頂期でしょう。手元にはありませんね。

◎河出文庫「有罪者: 無神学大全」ジョルジュ・バタイユ
本棚には「バタイユ入門」があります。でも全然入門できませんでした。

◎講談社選書メチエ「三つの革命 ドゥルーズ=ガタリの政治哲学」佐藤 嘉幸,廣瀬 純
構造と力」頃からなじんではいて、現代思想の入門書や「ドゥルーズの哲学」などもありますが、知ったかぶりの域を出ません。

◎角川選書「死者と先祖の話」山折哲雄
著者のものでは「神と仏 」「神と翁の民俗学」「仏教とは何か」「仏教民俗学」。これも似たような内容でしょう。

◎河出ブックス「大洪水が神話になるとき: 人類と洪水 五〇〇〇年の精神史」庄子大亮
ギルガメシュ」や「中国古代神話 」まで各地に洪水神話はありますが、まとめたものでは「世界神話事典」。

◎新潮選書「未完の西郷隆盛: 日本人はなぜ論じ続けるのか」先崎彰容
これも大河便乗ものですね。

◎新潮選書「モノに心はあるのか: 動物行動学から考える「世界の仕組み」」森山 徹
うちにあるのではたとえば「空間、時間、そして人類」「知性はどこに生まれるか」あたりが近いのかどうか。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「渤海国とは何か」古畑 徹
わが家の「渤海国の謎」は日本との交渉が主でしたが、これはどうでしょうか。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「幕末の海軍: 明治維新への航跡」神谷大介
長崎聞役日記」で海軍伝習所についてふれています。

今年最後は、
新書なら「義経伝説と為朝伝説」「藤原氏」「ナポレオン時代」「剣と清貧のヨーロッパ」「ブッダたちの仏教」
文庫は、「ブータンの瘋狂聖」「流線形の考古学」
選書は、「大洪水が神話になるとき」「渤海国とは何か」
と、豊作です。
なかでも目玉は「義経伝説と為朝伝説」「剣と清貧のヨーロッパ」


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