7月新刊
7月新刊から気になる新書、文庫、選書をピックアップしてみました。
◎講談社現代新書「ハイデガー『存在と時間』入門」轟 孝夫
「ハイデガー入門」とか何度も門を叩いています。そのたびに挫折するのですが、何か違いがあるのでしょうか。
◎講談社現代新書「飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道」一ノ瀬俊也
第一次大戦から第二次大戦までですね。プロペラ飛行機による戦争ということでしょうか。
◎講談社ブルーバックス「海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史」佐野貴司
ムーとかアトランティスとかレムリアとか子供のころから好きでした。
「失われた都市・島・民族」「失われた大陸
」なども手元にありますが、ブルーバックスですから「ロストワールド・科学の旅
」あたりが近いのでしょうか。
◎ちくま新書「僕らの社会主義」國分功一郎、山崎 亮
マルクス以外の社会主義という意味なら書棚のでは「アナキズム」や「世界の名著〈42〉オウエン,サン・シモン,フーリエ
」あたりでしょうけど、それは「僕ら」ではないですよね。
◎平凡社新書「新版 ハリウッド100年史講義: 夢の工場から夢の王国へ」北野圭介
たとえば「映画史上200シリーズ アメリカ映画200」みたいなキネ旬増刊なら何冊かあります。
◎集英社新書「ナチスと隕石仏像 SSチベット探検隊とアーリア神話」浜本隆志
「魔女とカルトのドイツ史」の浜本さん。大丈夫でしょうか。こんなムーじみたとんでも話で。
関係ありそうなのは、小説の「失われた地平線」、とんでも系の「プラトンのアトランティス
」、ナチスの思想的な系譜では「世紀末ミュンヘン
」あたりです。
◎ちくま学芸文庫「ユダヤ人の起源: 歴史はどのように創作されたのか 」シュロモー・サンド
確かにアシュケナージとセファルディムの比率は同じユダヤ人が分かれたにしてはおかしい気はしますが、どうでしょうか。ユダヤ人の歴史についての正統派の理解は「ユダヤの民と宗教」「物語 イスラエルの歴史
」で。本書に登場する遊牧民ユダヤ教国家は「ハザール 謎の帝国
」に。
◎ちくま学芸文庫「社会学への招待」ピーター・L・バーガー
宗教学を学んだ者としては「聖なる天蓋」くらい読んでおかなくてはいけないのですけれど残念ながら名前しか知りません。これは社会学の本です。
◎ちくま学芸文庫「道教とはなにか」坂出祥伸
道教について手元にあるのは「道教の神々」や「抱朴子/列仙伝/神仙伝/山海経
」あたりです。
◎講談社学術文庫「比較史の方法」マルク・ブロック
本当なら「封建社会」が必読なんでしょうが、うちにある「現代歴史学の名著
」でお茶を濁しておきましょう。
◎講談社学術文庫「世界探検史」長澤和俊
著作では「海のシルクロード史」、訳書では「玄奘三蔵
」がうちにあります。
この本も、私にドンピシャのテーマですので古書店で手に取ったことはあったのですがそのままになっていました。蔵書では「世界の旅行記101」「秘境アラビア探検史
」「太平洋探検史
」「大航海時代
」など近いテーマがいくつかあります。問題は今改めて読む価値があるかどうかです。
◎講談社学術文庫「暗号大全 原理とその世界」長田順行
わが家のでは「パズルとパラドックス」ぐらいです。
◎講談社学術文庫「梁塵秘抄」西郷信綱
同じ著者のものでは「古事記の世界」「神話と国家
」「壬申紀を読む
」があります。
この時代のものは「藤原定家の時代」ぐらいでしょうか。
◎角川ソフィア文庫「江戸の高利貸―旗本・御家人と札差」北原 進
江戸の商人については「流通列島の誕生」ぐらいしかありません。
◎角川ソフィア文庫「死者の書」折口信夫
折口さんは読んでいません。
◎角川ソフィア文庫「張学良秘史 六人の女傑と革命、そして愛」富永孝子
西安事件の張学良です。
◎講談社選書メチエ「アーレント 最後の言葉」小森謙一郎
アーレントは流行ですね。何冊も読むべき人でしょうか。
◎講談社選書メチエ「乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか」内田隆三
内容は見当もつきませんが、戦前のグロテスク趣味は興味深いですね。
◎筑摩選書「帝国軍人の弁明: エリート軍人の自伝・回想録を読む」保阪正康
たぶん不愉快になるだけでしょうから読まないでしょう。
◎筑摩選書「日本語と道徳: 本心・正直・誠実・智恵はいつ生まれたか」西田知己
和算の本を書いていた人ですよね。たぶん外しているでしょうが、町人の道徳ということなら「日本近代化と宗教倫理」あたりでどうでしょう。
◎平凡社ブックレット〈書物をひらく〉「園芸の達人 本草学者・岩崎灌園: 著作に見る思想」平野 恵
岩崎灌園については「日本博物学史」にあります。
「プラントハンター」も関連しそう。
◎平凡社ブックレット〈書物をひらく〉「和算への誘い: 数学を楽しんだ江戸時代」上野健爾
和算については「日本史再発見」「非ヨーロッパ起源の数学
」ぐらいです。
◎平凡社ブックレット〈書物をひらく〉「江戸の博物学: 島津重豪と南西諸島の本草学」高津 孝
こちらも「日本博物学史」に載っています。同じジャンルから同時に2冊ですか?
今月の目玉は
新書は「ナチスと隕石仏像」か「海に沈んだ大陸の謎」と怪しげな2冊。
文庫は「ユダヤ人の起源」かな。「世界探検史」は買うかもしれません。
選書は「乱歩と正史」が面白いかも。
全般に低調かな。
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