4月新刊
◎岩波新書「都市――江戸に生きる〈シリーズ 日本近世史 4〉」吉田伸之
シリーズ第4弾は、江戸の都市機能。
うちの本では「江戸の無意識」「江戸名物評判記案内
」「江戸のはやり神
」でどうでしょう。
◎講談社現代新書「文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか」神里達博
文明論みたいのはあまり読んでいません。
全然本書とは関連はないと思うけど「オリーブの森で語りあう」とか「世界の終末―終わりなき歴史
」ぐらいかな。
◎ちくま新書「密教アート入門」真鍋俊照
密教関連の本はいくつか持っていますが、密教美術に詳しいのは「密教―悟りとほとけへの道」かな。
◎ちくま新書「近代政治哲学:自然・主権・行政」國分功一郎
近代政治哲学の基本概念を再検討するという。
ロックだのモンテスキューだのというあたりなのでしょうか。
うちのでは「近代政治思想の誕生」ですか。
◎平凡社新書「貧困の倫理学」馬渕浩二
よくわかりませんが例えば「イスラム聖者」には貧者救済の話がありますし、「大英帝国
」には社会保障の誕生について触れています。
そういう方向の内容でしょうか。
◎平凡社新書「宮本武蔵 謎多き生涯を解く」渡邊大門
武蔵の生涯を知りたいとも思いませんが、なぜか「宮本武蔵 (歴史群像シリーズ (63))」を持っています。
◎集英社新書「科学の危機」金森 修
上の「文明探偵の冒険」に近いのでしょうか。
◎岩波文庫「チベット仏教王伝――ソンツェン・ガンポ物語」ソナム・ギェルツェン
14世紀の学僧が著したチベット建国と王の物語。
うちのでは「チベット密教」ぐらいかな。
◎ちくま学芸文庫「初等数学史 上 古代・中世篇」フロリアン カジョリ
◎ちくま学芸文庫「初等数学史 下 近世篇」フロリアン カジョリ
数学史は読む価値はあるでしょう。
◎ちくま学芸文庫「あそぶ神仏: 江戸の宗教美術とアニミズム」辻 惟雄
「江戸のはやり神」かな。
◎講談社学術文庫「スッタニパータ [釈尊のことば] 」荒牧典俊(訳注)/本庄良文(訳注)/榎本文雄(訳注)
うちにある中村元訳岩波文庫版は5本の指に入る愛読書です。
◎講談社学術文庫「満鉄調査部 「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊」小林英夫
満鉄については「満洲帝国 (歴史群像シリーズ (84))」にあるぐらい。
◎講談社学術文庫「宇宙誌」松井孝典(著・訳注)
「宇宙像の変遷」「生命と地球の歴史
」あたりがかすっているのかも。
◎講談社学術文庫「反歴史論」宇野邦一
ニーチェ、シャルル・ペギー、ジャン・ジュネ、レヴィ=ストロースなどの紹介を通して歴史を超える思想を問う試みだそうです。
ニーチェは永遠回帰だし、レヴィ=ストロースは冷たい社会で反歴史(?)そんな単純な話ではないとは思いますけれど。
◎講談社選書メチエ「権力の空間/空間の権力 個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ」山本理顕
著者は建築家だそうです。
タイトルだけだとフーコーみたいですけれど、ハンナ・アーレントにもとづきながら国家権力から自由な地域社会圏を提案しているんだそうです。
関連ありそうなものは「無秩序の活用」「都市の論理
」ぐらいです。
◎講談社選書メチエ「地図入門」今尾恵介
うちにある地図関連本は歴史地図のが多くて、地図全般は「地図の想像力」ぐらいかな。
◎角川選書「九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史」山本聡美
日本仏教の死体にまつわる言説というと白骨の御文や小野小町伝説などを思い浮かべます。
うちの蔵書では「本朝幻想文学縁起」「地獄めぐり
」「仏教民俗学
」あたりに若干の関連があります。
◎筑摩選書「柄谷行人論: 〈他者〉のゆくえ」小林敏明
「マルクスその可能性の中心」
「内省と遡行」
「探究Ⅰ」の3冊を持っています。
でも「マルクス」以外はよく分かりませんでした。
考える力がないのでしょう。
◎河出ブックス「真田幸村と真田丸: 大坂の陣の虚像と実像」渡邊大門
この手の本当はこうでしたと言う話は画期的ならば面白いけれど、歴史の流れではどちらでも影響がないことが多いし、枝葉末節で他の研究者への罵詈雑言が多いのも気分のいいものではありません。
◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「三浦一族の中世」高橋秀樹
三浦一族については類書は持っていません。
◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「日本酒の近現代史: 酒造地の誕生」鈴木芳行
こちらも類書は持っていません。
今月の目玉
「近代政治哲学講義」
「チベット仏教王伝」
「地図入門」
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コメント
拙著(「真田幸村と真田丸 大坂の陣の虚像と実像」)ですが、他人を誹謗中傷して貶めるような内容ではないので、安心してお読みになってください。
投稿: 渡邊大門 | 2015年4月 7日 (火) 09時29分
まさか著者ご本人のお目に留まり、メールをいただけるとは光栄の至りです。失礼の段は、素人の戯言とお笑いください。同月に2冊の新刊を上梓なさるという健筆ぶりには、遅筆の私などはただただ頭が下がります。
投稿: 眠鳥 | 2015年4月 7日 (火) 23時41分
コメントありがとうございました。たしかに、最近は自説を引き立てるため、他人を貶める書物が目立ちますからね。今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿: 渡邊大門 | 2015年4月 8日 (水) 06時52分