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2014年12月 1日 (月)

12月の新刊

12月の新刊から新書・文庫・選書の気になるものを紹介します。

◎岩波ジュニア新書「キリスト教入門」山我哲雄
信仰心のない私にとって、キリスト教への興味は「イエスとその時代」や「聖書の起源」のような歴史的なものなのですが、本書がどのような方向からの入門なのか気になるところです。

◎中公新書「日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄」福永文夫
興味はあるのですが、戦後史については学生運動とか新宗教とかセクト的なものか、映画や歌謡曲のような大衆文化的なものだけで、まとまったものは読んでいません。

◎中公新書「日本史の森をゆく - 史料が語るとっておきの42話」東京大学史料編纂所
史料編纂所のこぼれ話なんでしょうか。楽しいに決まっていますが。それ以上の何かがあれば。

◎中公新書「勝海舟と幕末外交 - イギリス・ロシアの脅威に抗して」上垣外憲一
うちにある「「鎖国」の比較文明論」「日本文化交流小史」の著者による幕末外交。
東アジア国際情勢のなかで幕府がどう動いたか描いているんでしょう。サブタイトル通りなら当たり前すぎですけど。

◎中公新書「四国遍路 - 八八ヶ所巡礼の歴史と文化」森 正人
伊勢参り、熊野詣、富士信仰などとは異なり、一ヶ所の聖地巡礼ではなく八八ヶ所を巡礼するという遍路は全国にミニ版が生まれるほどに日本人に親しまれています。その辺の面白さが出ていればと思います。
うちにそのものズバリははありませんが「仏教民俗学」「巡礼―聖と俗の現象学」「密教―悟りとほとけへの道」あたりでしょうか。

◎ちくま新書「エクスタシーの神学: キリスト教神秘主義の扉をひらく」菊地章太
エクスタシーというとシャーマニズム研究で憑依(ポゼッション)とともに重要な考え方。
簡単にいうと神さまが乗り移ってくるのが憑依で、心が体を離れて神さまのところに行くのがエクスタシー(召命)。
キリスト教神秘主義について手元にあるテキストは「エックハルト説教集」。
思想家としては「エックハルト」「フィオーレのヨアキム」「ビンゲンのヒルデガルトの世界」。
思想の流れとしては「ルネサンスの神秘思想」「薔薇十字団」あたりでどうでしょうか。

◎ちくま新書「吉田松陰: 「日本」を発見した思想家」桐原健真
まあ大河便乗本でしょう。誉めておけば問題ないですから。

◎新潮新書「将軍と側近: 室鳩巣の手紙を読む」福留真紀
教科書的には出てくる名前ですけれど、江戸儒学史はピンとは来ません。

◎白水社文庫クセジュ「100語でわかるマルクス主義」ジェラール・デュメニル、ミシェル・レヴィ、エマニュエル・ルノー
中級者向けの手引書だそうです。
今、フランスでマルクスがどのように読まれているのかという興味はあります。


◎岩波文庫「ビヒモス」ホッブス
「リヴァイアサン」に続くホッブスの著作。
世界の名著〈28〉ホッブズ」の解説にあります。

◎岩波文庫「テアイテトス」プラトン
中期の知識論。面白いらしいけれど、読まないだろうなあ。

◎ちくま学芸文庫「残酷美術史: 西洋世界の裏面をよみとく」池上英洋
子殺し、魔女狩り、ペスト、拷問、処刑…。私の好きな、もといよく読むテーマばかり。

◎ちくま学芸文庫「増補 八月十五日の神話: 終戦記念日のメディア学」佐藤卓己
憲法記念日がなぜ5月3日なのかとか建国記念の日がなぜ2月11日なのかとか面白いことはいっぱいあるわけです。
そういえば8月15日は旗日ではない。当たり前ですね。

◎講談社学術文庫「三国志演義 (四)」井波律子(訳)
まだまだ続きます。

◎講談社学術文庫「奇跡を考える 科学と宗教」村上陽一郎
ヨーロッパ科学史の立場からキリスト教の奇跡と近代科学について論じます。
本棚にある著者の本は「科学史の逆遠近法」「ペスト大流行」「宇宙像の変遷」の3冊。どれも読み応えのある内容です。

◎講談社学術文庫「全国妖怪事典」千葉幹夫
小学館ライブラリー版は持っています。

◎講談社学術文庫「テンプル騎士団」篠田雄次郎
中公新書の「聖堂騎士団」は持っています。
騎士団については「十字軍騎士団」「秘密結社の世界史」など。

◎講談社学術文庫「ジャーナリストの生理学」バルザック
良くわかりませんが訳者の鹿島茂では「デパートを発明した夫婦」があります。

◎中央文庫「評伝 北一輝 - V 北一輝伝説」松本健一
著者は亡くなりましたね。

◎中央文庫「安政の大獄 - 井伊直弼と長野主膳」松岡英夫
(中公新書版は持っています。新たな視点は感じられませんでした。

◎角川ソフィア文庫「大モンゴルの世界 陸と海の巨大帝国」杉山正明
新たなモンゴル帝国像を提唱する杉山氏の著作では「クビライの挑戦」「モンゴル帝国の興亡<上> (講談社現代新書)」「遊牧民から見た世界史」を持っています。

◎河出文庫「言説の領界」ミシェル・フーコー
フーコーも読まなくっちゃなあ。でもこれじゃないなあ。

◎光文社古典新訳文庫「リヴァイアサン 1 」ホッブズ
上の「ビヒモス」のところで触れました。


◎講談社選書メチエ「平泉 北方王国の夢」斉藤利男
同じ著者の「平泉―よみがえる中世都市」を持っています。

◎筑摩選書「昭和の迷走: 「第二満州国」に憑かれて」多田井喜生
華北進出については「日中アヘン戦争」「日中十五年戦争史」にあります。

◎筑摩選書「現象学という思考: 〈自明なもの〉の知へ」田口 茂
私の学生時代に哲学といえば現象学でしたが、今はどう受け止められているのでしょう。
現象学」がいちばんでしょう。

◎角川選書「平安朝 皇位継承の闇」倉本一宏
いちばん近いのは「平安王朝」でしょうか。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「親鸞と歎異抄」今井雅晴
親鸞については「鎌倉新仏教の誕生」ぐらいかも。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「武士の奉公 本音と建前: 江戸時代の出世と処世術」高野信治
たとえば「元禄御畳奉行の日記」あたりに見えることなのだろうか。

今月の目玉は、
新書「エクスタシーの神学」
文庫「残酷美術史」
選書「平泉」と「平安朝」
あたりでしょうか。

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