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2014年9月 6日 (土)

9月の新刊

9月新刊から気になる新書・文庫・選書をピックアップしてみました。

◎岩波新書「哲学の使い方」鷲田清一
分かりやすい哲学を目指す著者による哲学でなにが出来るかという問い。
私の本棚にある「哲学の現在」とか「哲学以前の哲学」あたりよりもさらに実践的哲学なのかも。

◎岩波新書「二〇世紀の歴史」木畑洋一
帝国主義の時代としての「長い二〇世紀」の歴史。
手元にある「博覧会の政治学」「想像の共同体」よりはもっと政治史なのでしょう。

◎岩波新書「〈運ぶヒト〉の人類学」川田順造
アフリカがフィールドの文化人類学者。
うちにあるのでは「悲しき熱帯」の訳者で「歴史のある文明・歴史のない文明」の共著者。
<運ぶ>ことで人類が誕生したというのは、自然人類学的な話ではないとすると、たとえば「ホモ・ルーデンス
みたいな文化論のなでしょうか。

◎岩波新書「京都〈千年の都〉の歴史」高橋昌明
京都の町について書かれた本では「謎解き洛中洛外図」ぐらいしか持っていません。

◎中公新書「言論抑圧 - 矢内原事件の構図」将基面貴巳
戦前の言論弾圧問題についてはまったく持っていないのですが、いちおうチェックしておきました。

◎中公新書「マリー・アントワネット フランス革命と対決した王妃」安達正勝
当然フランス革命で断頭台に消えた王妃の物語。どうやったって面白いでしょう。
フランス革命小史」「フランス革命史」「絵で見るフランス革命」あたりでどうでしょう。

◎講談社現代新書「ヴァロワ朝 フランス王朝史2」佐藤賢一
西洋史専門の小説家によるフランス通史。残念ながら本業の小説は持っていませが、「英仏百年戦争」と「ダルタニャンの生涯」があります。

◎講談社ブル-バックス「地球はどうしてできたのか」吉田晶樹
日本沈没」以来マントルに親しんで(?)きました。我が家では「ロストワールド・科学の旅」がその辺。

◎平凡社新書「一遍と時衆の謎: 時宗史を読み解く」桜井哲夫
いわゆる日本仏教の始祖の中では一遍がいちばん好きです。
絵詞もいろんな意味を読み取れそうで面白いですしね。
とかいってうちにある一遍は、「日本思想大系〈10〉法然・一遍」ぐらいで、あとは「鎌倉新仏教の誕生」「増補 無縁・公界・楽」が関連しているでしょう。

◎集英社新書「ブッダをたずねて 仏教二五〇〇年の歴史」立川武蔵
著者のものでは「はじめてのインド哲学」を持っています。
仏教の歴史ならいろいろ持っていますが「「覚り」と「空」」や「佛教の思想」あたりでしょうか。

◎白水社文庫クセジュ「世界のなかのライシテ; 宗教と政治の関係史」ジャン・ボベロ
ライシテとはフランスの政教分離のこと。
フランス革命以来、キリスト教と政治の関係はほかのヨーロッパ諸国とは異なるうえに、近年はイスラム教徒の増加による新たな問題も発生して難しいようです。


◎岩波文庫「国家と宗教――ヨーロッパ精神史の研究」南原 繁
プラトン「国家」からカント「永久平和論」へと繋がる理想主義を戦時下の日本で論じています。

◎岩波現代文庫「フロイトとユング――精神分析運動とヨーロッパ知識社会」上山安敏
心理学ではなく思想史の本です。
上山の著書では「世紀末ドイツの若者」「魔女とキリスト教」を持っています。

◎岩波現代文庫「原始仏典を読む」中村 元
中村氏の原始仏典という概念は近年批判的に捉えられているようですが、博識にもとづいた語りの分かりやすさはどれだけ評価してもしすぎるということはないでしょう。
著作では「東洋人の思惟方法」、訳では「スッタニバータ」は持っています。

◎岩波現代文庫「古代中国の思想」戸川芳郎
儒学、荘子、神仙思想など個々の思想はいくつか持っていますが、諸子百家全般を扱った本は持っていません。

◎岩波現代文庫「人はなぜ歌うのか
オリジナルを持っています。

◎講談社学術文庫「三国志演義 (一)」井波律子
岩波文庫版と徳間文庫版を持っています。

◎講談社学術文庫「古代エジプト 失われた世界の解読」笈川博一
オリジナルを持っています。

◎講談社学術文庫「日本探検」梅棹忠夫
モゴール族探検記」「文明の生態史観」の梅棹氏による日本論。

◎ちくま学芸文庫「公衆とその諸問題: 現代政治の基礎」ジョン・デューイ
プラグマティズムのデューイ。

◎ちくま学芸文庫「宗教生活の基本形態 オーストラリアにおけるトーテム体系 (ちくま学芸文庫)」エミール・デュルケーム
いちおう宗教学を学んでいましたので岩波文庫版はあります。

◎中公文庫「評伝 北一輝 - III 中国ナショナリズムのただなかへ」松本健一
今月も出ます。

◎中公文庫「江戸の温泉三昧」鈴木一夫
江戸時代の温泉に関する記述は「江戸の旅」「江戸文化評判記」に見られます。

◎角川ソフィア「折口信夫 魂の古代学」上野 誠
折口については「神と翁の民俗学」「神々の精神史」「カミの人類学」などに見えます。
本来は著作集でも読んでおけばいいんですけどね。

◎角川ソフィア「柳田国男集 神隠し・隠れ里」柳田国男
柳田国男集の一冊。

◎角川ソフィア「百万都市 江戸の経済」北原 進
手元にある類書といえば、「江戸の産業ルネッサンス」「流通列島の誕生」「図説 大江戸おもしろ事典」あたりですが。


◎講談社メチエ「緑の党 運動・思想・政党の歴史」小野 一
すっかりヨーロッパの政治勢力の一角を担っている緑の党。
うちの本棚で登場するのは「統一ドイツのゆくえ」ぐらいです。

◎角川選書「江戸名所図屏風を読む」黒田日出男
絵画資料の読解を続ける著者の最新作。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「豊臣秀頼」福田千鶴
おそらく、秀頼は家康を脅かす存在だったというような話なんじゃないでしょうか。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「地方官人たちの古代史: 律令国家を支えた人びと」中村順昭
古代の地方については、「古代農民忍羽を訪ねて」「よみがえる古代文書」ぐらいでしょうか。

今月の目玉は
新書では「<運ぶヒト>の人類学」「一遍と時衆の謎」、
文庫の「フロイトとユング」「江戸の温泉三昧」
選書の「江戸名所図屏風を読む」
あたりで、なかでも「一遍と時衆の謎」がいちばん気になります。

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