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2014年3月 1日 (土)

3月の気になる新刊新書・文庫・選書

3月の気になる新刊新書・文庫・選書を私の蔵書と関連して紹介します。

◎岩波新書「唐物の文化史―舶来品からみた日本」河添房江
著者は源氏物語の専門家。
光源氏がどれほど舶来品に囲まれていたかなどを書いています。
本書は、それを時代的に拡張したものでしょうか。

◎筑摩新書「哲学入門」戸田山和久
科学哲学から哲学の意義を論じている(らしい)。
目次を見たら、参照文献と読書案内が気になる。

◎平凡社新書「牢人たちの戦国時代」渡邊大門
書きなぐっている渡邊大門の戦国物。
牢人の活躍というと大坂の陣のほか、昨今では否定されているようですが伊勢新九郎こと北条早雲とか、主家が滅亡した山中鹿之助とかもそうでしょう。

◎平凡社新書「世界を動かす聖者たち: グローバル時代のカリスマ」井田克征
タイトルだけだとIT長者の話みたいだが、著者は現代インドをフィールドにする宗教学者で本当のカリスマ=宗教的指導者の話。
うちの書棚で現代インドの宗教を論じているのは「ヒンドゥー教とイスラム教」「占星術師たちのインド」ぐらいで、あと「チベット密教」もダライ・ラマに絡んでくる。

◎平凡社新書「ゾルゲ事件: 覆された神話」加藤哲郎
うちの蔵書でゾルゲ事件関連といえるのは「上海1930年」だけ。
でも、覆された神話というのだから尾崎秀樹は批判されるがわなのでしょうか。

◎文庫クセジュ「十九世紀フランス哲学」ジャン・ルフラン
19世紀フランス哲学というのは、啓蒙以後ベルクソン以前でしょうか。
我が家にある古ーい哲学史倫理学の教科書に出てくるのはコントかデュルケムだけ。
フーリエやサン・シモンあたりは哲学って言わないんでしょうか。
いちおうデュルケムの「宗教生活の原初形態〈上〉〈下〉」というのを持っていますが、哲学なのかこれ?
本書の主眼はスピリチュアリスムっていうんでしょうか、心理学的なやつがメインのようです。

◎講談社学術文庫「イギリス 繁栄のあとさき」川北 稔
川北氏の著作は「洒落者たちのイギリス史」、共著に「路地裏の大英帝国」、訳書で「旧世界と新世界」「近代世界システム〈1〉2」「近代世界システム 1600~1750」。
本文庫のオリジナルは良くわかりませんが、練達のイギリス社会史学者ですから面白いことは間違いないでしょう。

◎講談社学術文庫「バルセロナ、秘数3」中沢新一
中沢氏の著作では文庫で5冊、B4変型で2冊、共著が1冊手元にあります。
その多さに比べて、その華麗な論理の飛躍にイマイチピンと来た記憶はありません。
そのなかに本書の中公文庫版も入っています。

◎ちくま学芸文庫「増補 教育の世紀: 大衆教育社会の源流」苅谷剛彦
19世紀末から20世紀初頭のアメリカにおけるハイスクールの大衆化によって巻き起こる問題点を取り上げている。
アメリカの教育を扱った社会学では「脱学校の社会」ぐらいかな。

◎角川ソフィア文庫「八幡神とはなにか」飯沼賢司
八幡神については「神仏習合」や「神々の変貌」などでも触れられていますが、そのものズバリは「八幡信仰」。

◎河出文庫「私のプリニウス」澁澤龍彦
澁澤龍彦の著作では、「サド侯爵の生涯」「幻想博物誌」「秘密結社の手帖」「高丘親王航海記」の4冊がある。
ほかに訳書が5冊。本書も持っていてしかるべき1冊。

◎白水社Uブックス「ゴーレム」グスタフ・マイリンク著
ドイツ幻想文学。ゴーレムについては「幻獣の話」「オカルト」あたりにあります。

◎講談社メチエ「魔女狩り 西欧の三つの近代化」黒川正剛
西欧は近代化することによって魔女狩りを行ったという意欲的な内容です。
逆に言うと近代化しなかったがゆえに東アジア、イスラム圏では魔女狩りが行われなかったということなのでしょうか。
これは面白そう。
魔女狩りについてはうちの本棚にも結構揃っていますが、近代化との関連から説いているものはないかもしれません。
見るとすれば「魔女狩り」「魔女の社会史」「魔女とキリスト教」あたりでしょうか。

◎講談社メチエ「ティムール帝国」川口琢司
ティムールに触れているものとしては「中央アジア歴史群像」「三日月の世紀」「パクス・イスラミカの世紀」「中央アジアの歴史 (新書東洋史 8)」あたりでしょうか。

◎角川選書「日本仏教入門」末木文美士
日本仏教の入門書を何冊も手懸けている著者ですので今さらという気がしないでもありませんが、編集サイドとすれば安心できる1冊でしょう。
私は読まないと思いますが、日本仏教について初めて読むのならいいのかもしれません。

◎角川選書「ビッグバンを観る 宇宙観測の最前線」平林 久
宇宙の話は何度聞いても良くわからなくてもワクワクしてきます。
図解雑学 ビッグバン」なんていう本も持っています。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「大工道具の文明史: 日本・中国・ヨーロッパの建築技術」渡邉 晶
大工といっても私の興味の範囲では「鬼の宇宙誌」だの「経済の誕生」で触れられるような民俗学的な扱いでしか出てこないので、道具の文明史というのは面白そう。
建築技術というと「西洋事物起原」に何かあるかもしれないけれど。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「落書きに歴史をよむ」三上喜孝
各地の寺院に残る落書きに込められた庶民の思いを読み解く。
山形の若松寺観音堂がメインというあたりやや話題が狭すぎやしないかという気もするが、どこまで一般化できるのかが手腕でしょうか。
ちなみに学生の頃、宮城県の絵馬に描かれた祈願の分類を手伝った記憶があります。


今月の目玉は講談社メチエの2冊。
とくに「魔女狩り」は二重丸。
ただし新書・文庫は低調。とくに新書はひどい。

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