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2013年8月 1日 (木)

新書・文庫・選書の8月新刊

8月の新刊から気になる新書・文庫・選書をピックアップ。
わが家の蔵書とリンクして紹介してみます。

新書
◎岩波新書「物語 朝鮮王朝の滅亡」金 重明
朝鮮近代化の歩みとその挫折。日本以外のアジア・アフリカ諸国の近代化について単なる政治史ではないものに興味がある。
うちの本では「物語韓国史」「韓国併合」あたりか。

◎講談社現代新書「仏教の真実」田上太秀
仏教の基本的な解説。著者は仏陀の教えを涅槃経を中心に説いているので、本書もその流れでしょうか。

◎講談社ブル-バックス「海に還った哺乳類 イルカのふしぎ」村山 司
動物ものは面白いに決まっている。

◎ちくま新書「ユダヤ人の教養:グローバリズム教育の三千年」大澤武男
内容は良くわからないが、たとえば「非ユダヤ的ユダヤ人」とかが関連ありそう。

◎文庫クセジュ「ショアーの歴史」ジョルジュ・ベンスサ
こっちもユダヤ人問題。「シオン賢者の議定書」とか「魔女とカルトのドイツ史」、もちろんナチス関係の本ならホロコーストにも触れているが、本書の力点はどうなんでしょう。

文庫
◎岩波文庫「インディアスの破壊についての簡潔な報告」ラス・カサス
旧版と同じ訳者による改訳版だとか。ヨーロッパの植民地政策に対する最初期の批判の書。刺激的です。
うちにあるラス・カサスの著作では、「歴史の発見 (アンソロジー新世界の挑戦 13)」と「インディオは人間か (アンソロジー新世界の挑戦 (8))」に主著「インディアス史」の抄訳が収録されており、「コロンブス航海誌」もラス・カサスが編集したもの。
彼の評伝では「神か黄金か―甦るラス・カサス」があり、スペインにおける論戦については「アリストテレスとアメリカ・インディアン」に詳しい。
彼の時代のわかりやすい解説なら「新世界のユートピア」がいちばんか。


◎岩波文庫「ユートピアだより」ウィリアム・モリス
ユートピアの解説には必ず出てくる作品で、近代のユートピア小説としてはもっとも成功した作品でしょう。
これは川端康雄による新訳。うちの旧訳(松村達雄訳)とどう違うんでしょう。
わが家のモリス作品はほかに「世界のかなたの森」「サンダリング・フラッド」。
モリスのモノグラフなら「ウィリアム・モリス」。

◎講談社学術文庫「明治維新の遺産」テツオ・ナジタ
現れては消える〈維新〉はわれわれに何をもたらすのか。選挙前に出ていればね。
冗談はさておき官僚制対<維新)という対比は面白いかも。

◎講談社学術文庫「〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊――日米兵士が見た太平洋戦争」河野 仁
まあまともな軍隊ではないよな日本は。
うちにあるのは「海軍と日本」。

◎講談社学術文庫「「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》」橋本毅彦
類書は持っていないがなんとなく気になる。

◎講談社学術文庫「川の文化」北見俊夫
川について関係ありそうなのは「東京の空間人類学」ぐらいかな。

◎講談社学術文庫「ヨーガの哲学」立川武蔵
オリジナルは講談社現代新書。
ヨーガについては、同じ著者の「はじめてのインド哲学」をはじめ「世界の名著〈1〉バラモン教典,原始仏典」や「講座東洋思想〈第1〉インド思想」あたりにある。

◎ちくま文庫「柳花叢書 山海評判記/オシラ神の話」泉 鏡花、柳田國男 著 東 雅夫編集
泉鏡花の長篇傑作とそのアイディアの元となった柳田國男のオシラ神研究論考を1冊にしたもの。
オシラ神については「遠野/物語考」がある。

◎ちくま学芸文庫「はじめてわかる ルネサンス」ジェリー・ブロトン
芸術だけではなく、東洋との出会い、科学と哲学、宗教改革など、さまざまな角度から光をあてたルネサンス入門書。
わが家にもルネサンスと名がつく本は20冊以上あるけれど、基本的なのは「イタリア・ルネサンスの文化」や「フィレンツェ」で、「幻想の天国」「科学史の逆遠近法」あたりが本書的な方向かも。

◎ちくま学芸文庫「荘子 外篇」福永光司、興膳 宏 訳
先月に続きこんどは外編。

◎ちくま学芸文庫「震災画報」宮武外骨
外骨についてふれているのは「悪党的思考」ぐらいかな。

◎角川ソフィア文庫「昔話と文学」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「桃太郎の誕生」柳田国男
まだまだ続く柳田シリーズ。

◎河出文庫「貧民に墜ちた武士」塩見鮮一郎
失職した武士が乞胸という辻芸人になった経緯。
手元に類書はない。

◎河出文庫「日本人のくらしと文化: 炉辺夜話」宮本常一
講演集。

◎河出文庫「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」ウェンディ・ムーア
18世紀イギリス近代外科医学の父にしてイギリス史上に輝く奇人のエピソード満載の伝記。
うちの本でジョン・ハンターに触れているのは「博物学の黄金時代」にほんの少しぐらい。


◎平凡社ライブラリー「形而上学叙説 ライプニッツ−アルノー往復書簡」G.W.ライプニッツ
「形而上学叙説」は、「世界の名著 (30) スピノザ・ライプニッツ」に収録されている。

◎平凡社ライブラリー「菊と刀: 日本文化の型」ルース・ベネディクト
戦後アメリカ占領政策に影響を与えた日本人論の古典。「文化人類学15の理論」ぐらいかな。


選書
◎講談社メチエ「戦国大名の「外交」 」丸島和洋
著者は武田氏専門だから、甲駿相三国同盟がメインみたいです。
うちの本棚では「真説戦国北条五代 (歴史群像シリーズ 14)」とか「武田信玄のすべて」あたり。

◎講談社メチエ「ブリティッシュ・ロック 思想・魂・哲学 (講談社選書メチエ)」林 浩平
これでもロック革命の最中に生きていましたから、ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリン、Tレックスなど持っています。
セックス&ドラッグズ&ロックンロール」なんていう写真集も。

◎筑摩選書「愛国・革命・民主:日本史から世界を考える」三谷 博
世界史のなかの明治維新というより、維新の普遍性ということか?

◎筑摩選書「一神教の起源:旧約聖書の「神」はどこから来たのか」山我哲雄
うちの「ユダヤ教の誕生」と同じようなタイトルだが。

◎角川選書「黒田官兵衛・長政の野望 もう一つの関ヶ原」渡邊大門
黒田氏による九州の戦い。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「朝鮮人のみた中世日本」関 周一
中世の朝鮮日本間の交流については「中世倭人伝」などに詳しい。


以下山川出版の7月刊
◎山川世界史リブレット「朝鮮王朝の国家と財政」六反田豊
朝鮮については、上記の「物語朝鮮王朝の滅亡」であげたぐらい。

◎山川日本史リブレット「江戸時代のお触れ」藤井讓治
扱われるのは五代将軍綱吉の時代。
うちの書棚では「生類をめぐる政治」「将軍と側用人の政治」あたり。

◎山川日本史リブレット「日本史のなかの戦国時代」山田邦明
武将だとか合戦については手元にも多くあるけれど、時代全般について触れているのは「戦国時代」ぐらい。


今月の目玉
いちばんは「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」。なんせ「ジキル博士とハイド氏」や「ドリトル先生」のモデルとも言われる人ですから、これは医学好きじゃなくても面白そう。
ほかでは新書の「物語 朝鮮王朝の滅亡」、文庫の「貧民に墜ちた武士」も要チェック。

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