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2013年7月 2日 (火)

7月の新刊(新書・文庫・選書)

発表の遅い中公はあとまわしで、新書、文庫、選書の7月新刊を気になるものだけ紹介。ついでに関連する私の蔵書も挙げておきます。


新書
◎講談社現代新書「ヒゲの日本近現代史」阿部恒久
関係するのは「天皇の肖像」ぐらいかな。

◎講談社現代新書「まんが 哲学入門」森岡正博/寺田にゃんこふ
どの程度の入門なのか。森岡氏のこれまでの著書からすると単なる哲学者の紹介じゃないはず。とするとまんがで入門するのは厳しそう。

◎講談社現代新書「宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 」青木 薫
宇宙が人間にとって都合良くできているのはのは、奇跡ではなく人間が観測しているからだ。という考え方。人間にとって不都合な宇宙は、人間が観測できないから存在しないのと同じということです。多分、そんな原理だったような。

◎ちくま新書「近代中国史」岡本隆司
著者の「李鴻章」は図書館から借りたが、洋務派について初めて知ることも多く非常に面白かった。
大清帝国」「紫禁城史話」「洪秀全と太平天国」「中国、1900年」あたりが本書が扱っている時代なんでしょうか。

◎ちくま新書「現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇」太田俊寛
中沢新一批判で知られる宗教学者。霊性進化論ってスピリチュアリズムの流れだよね。
なら「「こっくりさん」と「千里眼」」がいちばんまっとうで、くだけたところで「奇想科学の冒険」「パラノイア創造史」あたりが関係するのかな。

◎ちくまプリマー新書「漢字からみた日本語の歴史」今野真二

◎平凡社新書「観光大国スイスの誕生: 「辺境」から「崇高なる美の国」へ」河村英和
スイス史については断片的ながら「ウィリアム・テル伝説」「ハプスブルク家」「傭兵の二千年史」がある。
山が美の対象となるについては大著「暗い山と栄光の山」があり、「グランド・ツアー」などでも初期アルプス観光に触れられている。

◎平凡社新書「万国博覧会の二十世紀」海野 弘
海野氏の著作では「世紀末の街角」「秘密結社の世界史」が本棚にある。
博覧会についてなら「博覧会の政治学」がいちばん。

◎平凡社新書「ビートルズは音楽を超える」武藤浩史
ビートルズの社会的影響という意味では「ラバーソウルの弾みかた」みたいなのも関係しているかも。

◎文春新書「継体天皇と朝鮮半島の謎」水谷千秋
継体朝をアジア史の中で捉えているものとしては「謎の七支刀」あたり。

◎文春新書「日本人の知らない武士道」アレキサンダー・ベネット
日本人が知らなければそれは多分日本の武士道ではない。まあ、タイトルとはそういうものだ。
面白いほどよくわかる武士道」なんていうお手軽な入門書は持っているけれど、そんなことではないんでしょう。

◎文庫クセジュ「古代末期: ローマ世界の変容」ベルトラン・ランソン
ローマ帝国の滅亡ではなく新しい社会が生まれたととらえるらしい。
ローマの滅亡については「西ゴート王国の遺産」ぐらいしかない。

◎洋泉社歴史新書y「九州戦国史と立花宗茂」三池純正
戦国時代の九州については「さかのぼり戦国史」ぐらいかな。
ほかにも「国別 戦国大名城郭事典」「歴史と旅増刊 戦国の動乱135の戦い」あたりも当然関連する。


文庫
◎岩波現代文庫「出口なお――女性教祖と救済思想」安丸良夫
大本については高橋和己の「邪宗門」を読んでいらい興味がある。
これ1冊といえば「巨人出口王仁三郎」かな。

◎岩波現代文庫「田中正造――未来を紡ぐ思想人」小松 裕
田中正造については教科書的な知識だけで1冊も読んでいない。

◎講談社学術文庫「中世ヨーロッパの家族」ジョゼフ・ギース/フランシス・ギース
この著者の中世シリーズは手元においておきたいのだが1冊も持っていない。
わが家のでは「中世に生きる人々」ぐらいかな。

◎講談社学術文庫「タブーの漢字学」阿辻哲次
これは学術文庫よりも普通の文庫向きの雑学本。

◎講談社学術文庫「日本の職人」吉田光邦
科学技術史の視点から職人技を見直すみたいな内容。
吉田光邦氏の著作では「錬金術」のみ。

◎ちくま文庫「哲学の道場」中島義道
書棚にある「カントの人間学」はけっこうひねくれた本だったからこれもそうでしょう。

◎ちくま文庫「モチーフで読む美術史」宮下規久朗
もしかして「図像学入門 目玉の思想と美学」が近いのかな?

◎ちくま学芸文庫「荘子 内篇
うちにあるのは中公文庫の森三樹三郎訳。荘子は中国思想の中ではいちばん好きだったりする。

◎ちくま学芸文庫「柳田国男の読み方」赤坂憲雄
オリジナルちくま新書版
を持っている。

◎ちくま学芸文庫「売笑三千年史」中山太郎
日本の売春(遊女)については、
中世的世界とは何だろうか
江戸名物評判記案内
盛り場の民俗史
あたりに部分的に記述されているだけ。

◎ちくま学芸文庫「哲学ファンタジー:パズル・パラドックス・ロジック」レイモンド・スマリヤン
関連するのは「パラドックス」「パズルとパラドックス」でしょうか。
ちなみに訳者は「ゲーデルの哲学」の著者です。

◎角川ソフィア文庫「妹の力」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「火の昔」柳田国男
今月も柳田国男。

◎角川ソフィア文庫「買い物の日本史」本郷恵子
筆者は日本中世史の人。貨幣経済の拡大する中世日本を描く。
中世に生きる女たち」に市場の女性たちが登場するが、貨幣経済を正面から扱ったものはうちにはない。

◎角川ソフィア文庫「空海「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」 ビギナーズ 日本の思想」空海
空海については「生命の海「空海」―仏教の思想〈9〉」。

◎河出文庫「ナボコフのロシア文学講義 上」ウラジーミル・ナボコフ
ナボコフについて触れているのは山口昌男の「知の祝祭」ぐらい。

◎ハヤカワ文庫NF「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」マット・リドレー
経済から見た人類史。うちの本棚でいちばん近そうなのは「人類学的世界史」か「経済人類学への招待」あたり。


選書
◎講談社メチエ「朱子学」木下鉄矢
朱子学は「儒教とは何か」に簡潔にまとめてある。ただ儒教の展開についてはなぜかあまり興味がわかない。

◎角川選書「江戸の発禁本 欲望と弾圧の近世」井上泰至
江戸の本屋 上」にも、柳亭種彦、山東京伝、蔦重、為永春水などの筆禍事件や出版取締り触書について載せている。

◎角川選書「ブッダの伝道者たち 悟りの言葉に耳を傾ける」釈 徹宗
仏教の核になる5人が仏陀、竜樹、世親、蓮如、鈴木正三か。日本の二人は大胆だな。中国はいないのか。
仏陀なら「仏教誕生」が分かりやすく、竜樹、世親についてなら「「覚り」と「空」」がいいかも。
蓮如は五木寛之の「蓮如」があり、鈴木正三なら教科書的ではあるけれど「日本仏教のこころ」でどうだろう。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「ほとけを造った人びと: 止利仏師から運慶・快慶まで」根立研介
仏教史でも美術史でもなく工房としての仏師に注目するのは面白いかも。うちに類書はない。「お釈迦さま百科」は多分違うでしょう。


今月は食指の動くものがあまりない。
そのなかでは、クセジュの「古代末期 ローマ世界の変容」が一番かな。
新書の「万国博覧会の二十世紀」は海野さんだけにはずれはないでしょうが、やや手垢のついたテーマのような。
文庫では「中世ヨーロッパの家族」「買い物の日本史」。選書はいまいちかな。

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