« スカイツリー見物 | トップページ | 日本映画プロフェッショナル大賞 »

2013年5月 4日 (土)

5月の新刊(新書・文庫・選書)

5月新刊から気になる新書文庫選書をピックアップして、うちの蔵書とリンクしてみます。

新書
◎岩波新書「新・ローマ帝国衰亡史」南川高志
ローマ五賢帝」の著者。「ゲルマン民族」は実は存在しなかったというあたり、なんとなく想像はつくけれど気にはなる。

◎岩波新書「近代発明家列伝」橋本毅彦
ワット、エジソン、ベル、ライト兄弟と偉人伝でもおなじみの発明家が並んでいます。うちには「図説 発明狂の時代」など変な発明についてのものが多い。

◎講談社ブル-バックス「東京鉄道遺産」小野田 滋
中学生ぐらいまでは鉄道模型ファンのはしくれだったので、どんな遺跡が取り上げられているのか興味がある。

◎ちくま新書「世界を動かす海賊」竹田いさみ
歴史じゃなく現在の海賊なので、ソマリアとかマラッカとかそんな話なんでしょう。

◎平凡社新書「イスラーム化する世界」大川玲子
おそらくキリスト教&イスラーム(ユダヤ教を加えてもいいけれど)という一神教の影響を世界でもっとも受けていない国のひとつである日本にとって世界がイスラーム化しているなどという感覚はまったくないのだけれど、この本はイスラーム化する社会の問題としてではなく、イスラーム側の取り組みとして捉えているようです。

◎平凡社新書「ヴェルディ: オペラ変革者の素顔と作品」加藤浩子
物語イタリアの歴史」では、一章を割いてヴェルディを取り上げています。

◎KAWADE夢新書「宗教に揺さぶられた日本史 」武光 誠
また武光さんの登場です。どこまで突っ込んだ話なのかはわかりませんが、テーマとしては面白そう。

◎文春新書「藤原道長の権力と欲望 「御堂関白記」を読む」倉本一宏
うちにある道長関連は「平安王朝」ぐらい

◎文庫クセジュ「フランス自然主義文学」アラン・パジェス
自然主義なら、「フランス文学案内」に紹介されていますし、「デパートを発明した夫婦」にもゾラの小説からの引用があります。

◎洋泉社歴史新書y「秀吉の出自と出生伝説」渡邊大門
どのぐらい常識を覆してくれるのかがミソ。


文庫
◎岩波現代文庫「西田哲学を開く――〈永遠の今〉をめぐって」小林敏明
中村雄二郎の「問題群」などで読んだだけだけれど、西田哲学は言葉遣いが難しくてよくわからん。

◎岩波現代文庫「漢語からみえる世界と世間――日本語と中国語はどこでずれるか」中川正之
話のネタとしては面白そう。

◎講談社学術文庫「鉄炮伝来――兵器が語る近世の誕生」宇田川武久
平凡社新書「真説 鉄砲伝来」がオリジナル。持っている。>間違えた。文庫と同タイトルの中公新書がオリジナルだ。アマゾンの紹介文が取り違えていたので混同してしまった。そっちは持っていない。

◎講談社学術文庫「王陽明「伝習録」を読む」吉田公平
王陽明については「講座東洋思想〈第2〉中国思想」にあるぐらい。多分読まないなこれは。

◎講談社学術文庫「経済人類学」栗本慎一郎
栗本氏の著作では「都市は、発狂する。」「幻想としての経済」「鉄の処女」の3冊がある。ポランニーとかモースとかを割りと早くから紹介してたんですけど、山っ気がありすぎたんでしょうか。

◎講談社学術文庫「中世のなかに生まれた近世山室恭子
東国と西国の戦国大名の支配の違いについてというと、網野善彦氏の著作を思い出します。

◎講談社学術文庫「世界の食べもの――食の文化地理」石毛直道
うちの人類学関係で食べ物を扱ったのは「食と文化の謎」。

◎ちくま文庫「ナショナリズム: 名著でたどる日本思想入門」浅羽通明
私としてはナショナリズムというと「想像の共同体」的なイメージがあるので、何でもかんでもナショナリズムにしてしまうと、どうなのかと思うのだが。

◎ちくま文庫「張形と江戸女」田中優子
こりゃまた刺激的なタイトルで。
田中さんの著書では「江戸の想像力」しか持っていないし、春画を扱っているのは「江戸文化評判記」ぐらい。

◎ちくま学芸文庫「頼朝がひらいた中世: 鎌倉幕府はこうして誕生した」河内祥輔
うちの本棚では「源平合戦の虚像を剥ぐ」「武家の棟梁の条件」あたりが鎌倉幕府成立に関係している。

◎ちくま学芸文庫「存在の大いなる連鎖」アーサー・O・ラヴジョイ
観念史のさきがけとなったラヴジョイの名著が文庫化されます。
うちにあるのは本書のレジュメ的な「存在の連鎖 ヒストリー・オブ・アイディアズ17」だけ。これは買わなくちゃいかん。

◎ちくま学芸文庫「肉体の迷宮」谷川 渥
美学には疎いので肉体表象論などといわれてもよくわからないが、たとえば「変身願望」なんて近いのだろうか。
同じ著者では「幻想の地誌学」を持っている。

◎平凡社ライブラリー「へ—ゲル初期哲学論集」G.W.F.ヘーゲル
我が家のヘーゲルは「歴史哲学」と「法の哲学」「哲学入門」ぐらいで、あとは概説書。初期のヘーゲルに興味があるわけじゃないので、多分これは眼も通さないだろうが。

◎平凡社ライブラリー「サーカスが来た!: アメリカ大衆文化覚書」亀井俊介
アメリカ大衆文化論の名著。亀井さんの本では「性革命のアメリカ」「アメリカン・ヒーローの系譜」の2冊を持っている。どちらもおもしろい。当然この本も読んでいてしかるべきなのに…。

◎河出文庫「ドゥルーズ ---経験不可能の経験」ジャン=クレ・マルタン
構造と力」以降ずいぶんとお世話になったドゥルーズですけど、結局何もわかっていない。

◎河出文庫「コン・ティキ号探検記」トール・ヘイエルダール
ジュニア向けのダイジェスト版だったとは思うが、小学生のころ読んでいる。「十五少年漂流記」と同じイメージで読んでいた気がする。

◎角川ソフィア文庫「生物にとって時間とは何か」池田清彦
生物学は楽しい。
同じ著者では「さよならダーウィニズム」を持っている。

◎角川ソフィア文庫「武士とは何か 中世の王権を読み解く」本郷和人
上の「頼朝がひらいた中世」と似てるのかな。
ほかにも「蘇る中世の英雄たち」とか「武家と天皇」あたりも関連しそう。


選書
◎講談社メチエ「弁証法とイロニー 戦前の日本哲学」菅原 潤
田辺元、保田與重郎、三木清、萩原朔太郎。うーんちょっと興味はあるが、読むかなあ。余裕がないと無理だなあ。

◎講談社メチエ「古代ギリシアの精神」田島正樹
タイトルがでかすぎない?
多分「神々と英雄と女性たち」とか「オデュッセウスの世界」に近いんじゃないかと思うが。

◎筑摩選書「江戸の風評被害」鈴木浩三
タイトルだけじゃ内容はつかみにくいけど、江戸の社会システム論というから「流通列島の誕生」「江戸の無意識」あたりがつながっているのかも。

◎筑摩選書「ヨーロッパ文明の正体: 何が資本主義を駆動させたか」下田 淳
これまた壮大なテーマだな。
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をはじめとして「近代世界システム」、「ヨーロッパ「近代」の終焉」「「欲望」と資本主義」あたりが絡むんでしょう。大風呂敷の不安もするけれど。

◎角川選書「世界を変えた数学」佐藤修一
うちにある数学史関係と言えば「非ヨーロッパ起源の数学」と「魔術から数学へ」ぐらいで、正統な数学史はない。いちど読んでおいてもいいかも。

◎角川選書「世界史の読み方」宮崎正勝
最近、世界史入門本を書いている宮崎氏。彼の著作でうちにあるのは、「イスラム・ネットワーク」「鄭和の南海大遠征」「ジパング伝説」の3冊。この本もインド洋から世界史を読み直そうということでしょう。


今月の目玉はなんといっても「存在の大いなる連鎖」。
これは買うでしょう。
そのほかでは、新書の「新・ローマ帝国衰亡史」も是非読んでおきたい1冊。
文庫では、「経済人類学」「中世のなかに生まれた近世」「サーカスが来た!」。
選書の「古代ギリシアの精神」「江戸の風評被害」も面白そう。
今月はあたり月です。
ただし中央公論新社の新刊リストがまだ出ていない。
いつもながら遅い。

|

« スカイツリー見物 | トップページ | 日本映画プロフェッショナル大賞 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/182335/57313328

この記事へのトラックバック一覧です: 5月の新刊(新書・文庫・選書):

« スカイツリー見物 | トップページ | 日本映画プロフェッショナル大賞 »