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2013年1月15日 (火)

1月の新刊

1月新刊から気になる新書・文庫・選書を私の蔵書とリンクして紹介します。

新書
◎岩波新書「出雲と大和――古代国家の原像をたずねて」村井康彦
記紀神話における出雲神話の位置づけなら「古事記の世界」「日本の神々」等いろいろありますけど、三輪山について限定すると「三輪山伝承」ぐらいかな。

◎岩波新書「信長の城」千田嘉博
まるで中公みたい。岩波にしては意外なタイトル。
清洲→岐阜→安土から何が見えてくるか?
織田信長読本」「城郭 (日本史小百科)」ぐらい。

◎講談社現代新書「世界史の中のパレスチナ問題」臼杵 陽
パレスチナ地域の歴史なら「物語 イスラエルの歴史」かな。

◎講談社現代新書「戦前日本の安全保障」川田 稔
関連するのは「日英同盟」ぐらいか。

◎集英社新書「幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語」平野真敏
楽器の歴史「ピアノの誕生」、ワグナーについて触れているのは「世紀末の街角」。

◎文庫クセジュ「[新版]意味論」イレーヌ・タンバ
意味論が関連するのは「言語学とは何か」「神話作用」ぐらい。
でも不得意なんだよなあ、こういう議論は。

◎洋泉社歴史新書y「山県有朋の「奇兵隊戦記」」一坂太郎
奇兵隊なら「幕末の長州」「高杉晋作」あたり。

文庫
◎岩波現代文庫「宮本常一『忘れられた日本人』を読む」網野善彦
網野さんの著作ではいちばん近いのは「日本論の視座」あたりかな。
民俗学関連では「民俗学への招待」。

◎ちくま学芸文庫「イメージ」ジョン・バージャー
おそらく荒俣さんの「図像学入門」に通じているのでは。

◎ちくま学芸文庫「雪の結晶はなぜ六角形なのか」小林禎作
雪の結晶について書いてあるのは、「北越雪譜」に触れている「江戸の無意識」ぐらい。

◎ちくま学芸文庫「来るべき書物」モーリス・ブランショ
文芸批評の金字塔なんだそうだ。

◎ちくま学芸文庫「日本神話の世界」中西 進
万葉学者による日本神話論。
西郷信綱の「神話と国家―古代論集」あたりがいちばん近いか。

◎ちくま学芸文庫「愛国心」清水幾太郎
たしか教科書か何かに載っていたような?

◎ちくま学芸文庫「老子」福永光司/訳
荘子」は持っているけれど、老子は読んだことがない。

◎ちくま学芸文庫「思想のアンソロジー」吉本隆明
吉本隆明のものでは「共同幻想論」しか持っていない。

◎講談社学術文庫「荻生徂徠「政談」」荻生徂徠/尾藤正英訳
日本の名著の文庫化。尾藤正英では「日本文化の歴史」が本棚にある。
徂徠については「荻生徂徠―江戸のドン・キホーテ」が面白かった。

◎講談社学術文庫「武士の誕生」関 幸彦
オリジナルのNHKブックスは持っている。
同じ著者の「蘇る中世の英雄たち」は物語化された初期の武士たちを描いて秀逸。

◎講談社学術文庫「ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎」荒井章三
オリジナルは持っている。
一神教についてはほかに、エリアーデ「世界宗教史」や「蛇と十字架」あたり。

◎講談社学術文庫「現象学」新田義弘
現象学については木田元の岩波新書がわかりやすい。

◎講談社学術文庫「日本人と地獄」石田瑞麿
日本の地獄については「日本霊異記」「地獄めぐり」「鬼の宇宙誌」「日本の民俗宗教」「仏教民俗学」とけっこう手元にある。

◎角川ソフィア文庫「海上の道」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「新訂 妖怪談義」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「日本の伝説」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「日本の祭」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「日本の昔話」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「一目小僧その他」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「毎日の言葉」柳田国男
◎角川ソフィア文庫「山の人生」柳田国男
角川文庫の柳田国男物がまとめてソフィア文庫から。
柳田については赤坂憲雄の「柳田国男の読み方」「漂泊の精神史」にある。


選書
◎講談社メチエ「イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘」新井政美
イスラムの近代化全般については「イスラーム復興はなるか」。
トルコについては「トルコ民族主義」。
エジプトの挫折する近代化を扱ったものが「「イスラムvs.西欧」の近代」。

◎筑摩選書「シベリア鉄道紀行史: アジアとヨーロッパを結ぶ旅」和田博文
シベリアについては探検や民族学の書籍がそこそこあるが、日本人のシベリア鉄道紀行についてはとくにない。
確かうちの祖父さんもシベリア鉄道でヨーロッパに行ったことがあったような。

◎角川選書「妖怪学の祖 井上圓了」菊地章太
井上円了なら「「こっくりさん」と「千里眼」」や「妖怪の民俗学」が関係している。

◎新潮選書「私の日本古代史(上): 天皇とは何ものか――縄文から倭の五王まで」上田正昭
◎新潮選書「私の日本古代史(下): 『古事記』は偽書か――継体朝から律令国家成立まで」上田正昭
上田正昭といえば邪馬台国ファンだった中高生の頃には、九州説の井上光貞に対抗する畿内説のトップというイメージでした。
氏の著作では「日本神話の世界」「日本神話」の2冊。
編著では「論集日本文化の起源〈2〉」が書棚にある。

◎NHKブックス「なぜ猫は鏡を見ないか?―音楽と心の進化誌」伊東 乾
よく分からないが「音を視る、時を聴く」に近いのか?

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「災害復興の日本史」安田政彦
地震なら「龍の棲む日本」、飢饉なら「源平合戦の虚像を剥ぐ」、震災なら「東京の都市計画」とバラバラに触れているけれど、復興という視点はあまりない。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「神社の本殿: 建築にみる神の空間」三浦正幸
神社建築に絡んでいるのは「アマテラスの誕生」「古代朝鮮と日本文化」「神仏習合」「日光東照宮の謎」あたり。

今月の目玉はダントツで「妖怪学の祖 井上圓了」。
新書文庫は全体に不作。

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