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2012年5月20日 (日)

5月の新刊新書・文庫・選書

5月の新刊新書・文庫・選書から気になるものを、私の蔵書とリンクして紹介します。

<新書>
○岩波新書「論語入門」井波律子
最近「論語 - 真意を読む」を読んだばかり。
井波さんはうちにある本は「読切り三国志」「酒池肉林」「三国志演義」「中国の五大小説」と、物語ばかりだからきっと違う論点なんでしょう。

○岩波ジュニア新書「人類の歴史を変えた8つのできごとII―民主主義・報道機関・産業革命・原子爆弾編」眞 淳平
先月の続き。今度は近現代のものばかり。

○中公新書「魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国」渡邉義浩
今度は三国志から邪馬台国に迫る。邪馬台国のことが記述されているのが魏志東夷伝なわけだから当然。
うちには「魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝」があるけど、多分、これだけじゃなく三国志全体のなかの魏志倭国伝という論点なんじゃないかな。

○中公新書「桂太郎 - 外に帝国主義、内に立憲主義」千葉 功
桂太郎というと井上光貞の祖父というどうでもいい知識以外、長州閥の大物という良くないイメージしかないが、何か覆すものなのでしょうか。

○ちくま新書「宮中からみる日本近代史」茶谷誠一
こっちは桂太郎と政権を争った西園寺公望をはじめとするの天皇側近たちの話。
こっちのほうが面白そう。

○ちくま新書「ヒトは一二〇歳まで生きられる: 寿命の分子生物学」杉本正信
生物学の啓蒙書はどれもいちおう気になる。

○平凡社新書「イスラームの善と悪 善悪判断実用集」水谷 周
イスラム教入門」「イスラーム文化」あたりが関連しそうだが、より実践的な価値基準について書かれているようだ。

○平凡社新書「緒方竹虎とCIA」吉田則昭
自民党結党にあたってのアメリカの謀略と保守政治家の関係というテーマ。
おそらくは、再軍備化や原子力政策とも関係しているはず。

○角川ワンテーマ21「女王、エリザベスの治世 先進国の王政記」小林章夫
即位60年を祝ったばかりのエリザベス2世。戦後イギリスの王室のあり方を概観。
小林氏は、私でも「イギリス貴族」「パブ・大英帝国の社交場」「コーヒー・ハウス」と3冊も手元にあるイギリス文化の専門家。間違いはない。

○新潮新書「黄金の日本史」加藤 廣
著者は歴史小説家。眉に唾して読めば楽しいかも。

○集英社新書「武蔵と柳生新陰流」赤羽根龍夫
あまり建設的な話題は見えてきそうにないのだが、さて。

<文庫>
○岩波文庫「ローマ諷刺詩集」ペルシウス、ユウェナーリス
時代はネロから五賢帝とローマ帝国の絶頂期。下の「トリマルキオの饗宴」と同時代。

○講談社学術文庫「ヘーゲル「精神現象学」入門」加藤尚武編
ヘーゲルでは「歴史哲学」以外面白いと思ったことはない。
まったく同じタイトルの「ヘ-ゲル『精神現象学』入門」はあるが、ピンとこなかった。
著者の本では、お手軽な「20世紀の思想」しか持っていない。多分読まないなこれは。

○講談社学術文庫「逸楽と飽食の古代ローマ―『トリマルキオの饗宴』を読む」青柳正規
オリジナルの中公新書は書棚にある。
小説の進行とともに、ローマ帝国の社会から経済までが見えてくるという構成で、これはめっぽう面白い。
同じ著者の「皇帝たちの都ローマ」とともに、中公新書らしい重厚な傑作。

○講談社学術文庫「愚管抄 全現代語訳」大隅和雄訳/慈円著
日本の歴史書として必ず挙げられる。でも、読むか微妙なところ。

○講談社学術文庫「大いなる小屋 江戸歌舞伎の祝祭空間」服部幸雄
江戸歌舞伎については「歌舞伎の歴史」か「江戸の見世物」「四谷怪談」「鶴屋南北」。

○ちくま学芸文庫「間主観性の現象学 その方」エトムント・フッサール
現象学の本家といっても辞書的な意味でいちおう名前は知っているという程度のフッサールの本邦初訳。

○ちくま学芸文庫「今昔東海道独案内 東篇: 日本橋より浜松へ」今井金吾
○ちくま学芸文庫「今昔東海道独案内 西篇: 浜松より京都へ・伊勢参宮街道」今井金吾
これは面白いに決まっている。
うちの本では「江戸の旅」ぐらいかな。

○ちくま学芸文庫「和訳 聊斎志異」蒲 松齢/柴田天馬 訳
中国の怪異小説集の翻訳だが、この和訳自体がすでに歴史的な存在となっているということらしい。

○河出文庫「「声」の資本主義 ーー電話・ラジオ・蓄音機の社会史」吉見俊哉
多分「図説 発明狂の時代」と関連しているんでしょう。
同じ著者の本では「博覧会の政治学」が秀逸。

○角川ソフィア文庫「東条英機と阿片の闇」太田尚樹
軍部とアヘンの関係なら「日中アヘン戦争」がある。

○角川ソフィア文庫「はじめたばかりの浄土真宗」内田 樹、釈 徹宗
宗教史の概説以外で真宗関連は「蓮如」ぐらい。
いまさら読まないと思うけど。

○平凡社ライブラリー「職人歌合」網野善彦
網野氏の著作は結構持っているけど本書にいちばん関連するのは、「日本中世の民衆像―平民と職人」かな。

○平凡社ライブラリー「虫を食べる人びと」三橋 淳
食と文化の謎」には“昆虫栄養学”という章がある。

<選書>
○講談社メチエ「戦前昭和の国家構想」井上寿一
筆者は、戦前戦後の連続性を主張している「正論」御用達の保守派。
戦前の右翼、左翼思想がどのような国家を描いていたか。という内容らしい。

○角川選書「後鳥羽上皇 新古今集はなにを語るか」五味文彦
五味氏の著作は「中世のことばと絵」「藤原定家の時代」「絵巻で読む中世」「源義経」の4冊が手元にある。

○吉川弘文館歴史文化ライブラリー「荒ぶるスサノヲ、七変化: 〈中世神話〉の世界」斎藤英喜
スサノオといっても記紀のそれではなく、中世では牛頭天王や閻魔大王などさまざまな外来神と同一視され信仰されてきたという。
わが書棚では「中世神話」や「日本魔界案内」あたりが近そう。

○吉川弘文館歴史文化ライブラリー「平安京の災害史」北村優季
飢饉、洪水、疫病、地震など平安の都を襲う災害がいかに都の形を変えたのか。
面白そう。

今月は不作。
新書にこれゾといった目玉がなく、文庫で「「声」の資本主義」「職人歌合」選書で「荒ぶるスサノヲ」かな。

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