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2012年2月20日 (月)

2月新刊

2月の新刊から私の気になったものをピックアップしました。
新書
◎岩波新書「四字熟語の中国史」冨谷 至
同じ筆者の著作には「古代中国の刑罰」「韓非子」がある。これはやや軟らかめなもののよう。

◎中公新書「物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで」村田奈々子
うちある現代ギリシアを扱ったものでは「ファシスト群像」ぐらい。あとは世界大戦の戦場で名前が出る程度。
むしろ先日亡くなったアンゲロプロスの映画が役に立っている。

◎中公新書「近現代日本史と歴史学 - 書き替えられてきた過去」成田龍一
歴史修正主義のようなタイトルだけど、歴史の語られ方をテーマとしてむしろ岩波系と言ってもいいぐらい。

◎講談社現代新書「世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ」辻隆太朗
この手の話なら「秘密結社の世界史」に詳しく、また陰謀論のもとになった「シオン賢者の議定書」もある。

◎ちくま新書「分析哲学講義」青山拓央
パラドックス」とか論理分析哲学について読んでもほとんど何のことか(何の意味があるのか)理解できないでいます。

◎ちくま新書「日本思想史新論─プラグマティズムからナショナリズムへ」中野剛志
反TPPPで論陣を張る筆者の日本思想史。際物かな。プラグマティズムっていうのは実学のことかいな。
荻生徂徠」とか「文明論之概略を読む 上」あたりが関連しそう。

◎ちくまプリマー新書「西洋美術史入門」池上英洋
美術史関係だとうちにあるのは「近代絵画史(上下)」だけ。

◎文庫クセジュ「アルジェリア戦争 ─ フランスの植民地支配と民族の解放」ギー・ペルヴィレ
フランスとアルジェリアの関係は、政治的にも文化的にもほかの植民地と宗主国の関係とはちょっと違う何かがあるような気がしていたんだが、そのへんなにか分かるかもしれない。
現代アフリカ入門」うちの本棚でアルジェリアに触れているにはぐらいかな。

◎洋泉社歴史新書y「海の王国・琉球」上里隆史
琉球王国」が同じテーマでしょう。

文庫
◎岩波文庫「フランス・プロテスタントの反乱――カミザール戦争の記録」ガヴァリエ
これはよく知らないテーマだけど面白そう。

◎岩波現代文庫「「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用」アラン・ソーカル、ジャン・プリクモン
構造と力」以来のポストモダン・ブームを一応齧ってみた身とすれば、分かりにくいのは読者が馬鹿だったからじゃないんだという言い訳になるありがたい1冊らしい。
でも、馬鹿な読者までが一緒に怒ることはない気はする。

◎岩波現代文庫「帝国と国民」山内昌之
うちの本棚にも氏の著作は「ラディカル・ヒストリー」「民族と国家」「神軍 緑軍 赤軍」、共著も「歴史のある文明・歴史のない文明」「現代アジア論の名著」「地中海 終末論の誘惑」「われわれはどんな時代を生きているか」と結構ある。

◎岩波現代文庫「「国語」という思想――近代日本の言語認識」イ・ヨンスク

◎講談社学術文庫「ルネサンスの神秘思想」伊藤博明
すでに購入。

◎講談社学術文庫「藤原行成「権記」全現代語訳(下)」倉本一宏
これで完結。この手の史料は索引をつけなければ役に立たないような気がする。
サイトに本文があるから自分で検索してくれってことらしいが。

◎ちくま学芸文庫「ゴダール 映画史(全)」ジャン=リュック・ゴダール
ゴダールの映画は9本観ているが、多分この本は読まないでしょう。

◎ちくま学芸文庫「フンボルト 自然の諸相: 熱帯自然の絵画的記述
アレキサンダー・フォン・フンボルト
フンボルトについては「コスモスの思想」にある。ちなみに「フンボルト」は兄のヴィルヘルムの評伝。

◎ちくま学芸文庫「ニーチェ: 自由を求めた生涯」ミシェル・オンフレイ
オールカラー・グラフィック・ノベルって何でしょう?
思想&評伝なら中公新書の「ニーチェ」が実存主義的でやや古いけど簡明。

◎ちくま学芸文庫「中国の知恵: 孔子について」吉川幸次郎
京大東洋学の巨人による入門書。
解説を書いている加地伸行による「儒教とは何か
」も分かりやすい。

◎中公文庫「増補版-日露外交秘話」丹波 實
江戸時代の日露交渉については「漂流民とロシア」。

◎平凡社ライブラリー「蔦屋重三郎」鈴木俊幸
蔦重については「江戸の本屋〈上下〉

◎平凡社ライブラリー「精神のエネルギー」アンリ・ベルクソン
フーコーの系譜学」がタイトルに相違してベルクソンについて詳しい。


選書
◎講談社メチエ「ギリシア正教 東方の智」久松英二
ギリシア正教については「神と悪魔―ギリシャ正教の人間観」。

◎講談社メチエ「漢字の魔力 漢字の国のアリス」佐々木 睦

◎角川選書「中世尼僧 愛の果てに 『とはずがたり』の世界」日下 力
「とはずがたり」は「中世に生きる女たち」でもふれていますけど、なかなか興味深い作品のようです。

◎筑摩選書「生老病死の図像学 仏教説話画を読む」加須屋 誠

◎山川日本史リブレット人「小林一茶―時代をよむ俳諧師」青木美智男

◎山川日本史リブレット「近世鉱山をささえた人びと」荻 慎一郎

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「近世鉱山をささえた人びと」小笠原好彦
この時代のことは「続日本紀(上下)」が基本史料。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「江戸の政権交代と武家屋敷」岩本 馨
少し違うかもしれないけど江戸の武家屋敷について触れているのは「東京の空間人類学」ぐらいかな。

◎NHKブックス「中東 新秩序の形成―「アラブの春」を超えて」山内昌之
これも山内昌之だ。

今月の目玉は
新書は、あんまりいいのがない。「世界の陰謀論を読み解く」ぐらいかな。
文庫は、狙い目が揃っている。
「ルネサンスの神秘思想」はもう買ったし、「フランス・プロテスタントの反乱」「フンボルト 自然の諸相」も買いたい1冊。
選書では、買うほどじゃないけど、「近世鉱山をささえた人びと」「江戸の政権交代と武家屋敷」は読んでおきたい。

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