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2011年11月21日 (月)

11月新刊新書・文庫・選書

先週末から調子の悪かった上の子が風邪で休み。

今月の新刊から私の興味を引いたものをピックアップ。手持ちの本と関連させて紹介します。

新書
◎岩波新書「新しい世界史へ――地球市民のための構想」羽田 正
勲爵士シャルダンの生涯」の著者だけに、ヨーロッパ中心の世界史からの脱却を目指すものになるのでしょう。

◎岩波新書「李鴻章――東アジアの近代」岡本隆司
李鴻章といえば下関条約の代表として知られていますが、「紫禁城史話」には近代化を進める洋務派官僚のトップとして名前が挙がっています。

◎岩波新書「デスマスク」岡田温司
美術史家岡田温司の著作では「マグダラのマリア」しか手元にないが、読みやすい。

◎岩波ジュニア新書「パスタでたどるイタリア史」池上俊一
池上氏の著作では「動物裁判」「魔女と聖女」「狼男伝説」の3冊。訳書では「知の再発見」双書の「魔女狩り
」「吸血鬼伝説」、西洋中世奇譚集成の「皇帝の閑暇」「東方の驚異」、ル・ゴフの「中世の夢」の5冊。私のお好みのテーマばかり。ただ、本書は趣がいつもと異なる気がする。

◎中公新書「贈与の歴史学―儀礼と経済のあいだ」桜井英治
文化人類学のタイトルのようだけど、著者は日本中世史が専門。「徳政令」と「経済の誕生」の間みたいな内容か。

◎講談社現代新書「池田屋事件の研究」中村武生
新選組の名を天下に知らしめた池田屋事件。じゃあなぜ池田屋に浪士が集まっていたのか。それが本書の肝らしいのだけれど、それがどれほど新しい維新像となるのか。そこが問題。

◎講談社現代新書「いまを生きるための思想キーワード」仲正昌樹
現代思想のキーワード集ならたとえば、「現代思想を読む事典」やもう少しお手軽な「20世紀の思想―マルクスからデリダへ」などがあるけれど。これは哲学よりも社会学より?

◎ちくま新書「ヒトラーの側近たち」大澤武男
ナチス関連の本も幾つかあるが、なかでは「ナチ・エリート―第三帝国の権力構造」「アドルフ・ヒトラー 権力編(歴史群像シリーズ 42)」あたりが近いかも。

◎ちくま新書「後藤新平: 大震災と帝都復興」越澤 明
東京の都市計画」には、当然後藤の帝都復興も触れられている。

◎ちくまプリマー新書「孔子はこう考えた」山田史生
儒教とは何か」は、孔子にとどまらず儒教全般を描いている。

◎平凡社新書「柳田国男と今和次郎」畑中章宏
考現学について何か持っていると思ったけれどなかった。関係ありそうなのは「近代日本の民間学」ぐらいかな。

◎平凡社新書「日本人はどんな大地震を経験してきたのか」寒川 旭

◎平凡社新書「平清盛
平清盛」武光 誠
◎文春新書「謎とき平清盛」本郷和人
大河関連書といっていいんでしょうね

◎角川ワンテーマ21「海戦からみた太平洋戦争」戸高一成
もともと太平洋戦争というとどうしても海戦中心で観てしまいがち。「海軍と日本」なんていう本も持っている。

文庫
◎講談社学術文庫「ヴェネツィア帝国への旅」モリス,J.
似たテーマでは「都市ヴェネツィア―歴史紀行」なんて本はある。

◎講談社学術文庫「東京の自然史」貝塚爽平

◎講談社学術文庫「イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男」佐藤次高
オリジナルのメチエ版を持っている。

◎講談社学術文庫「逆賊と元勲の明治」鳥海靖
伊藤博文と山県有朋が中心らしいけど「天皇と日本の近代〈上〉〈下〉」が近いんだろうか。

◎講談社学術文庫「ハイデガー「存在と時間」入門」渡邊二郎
ハイデガー関連では「ハイデガーの思想」とか「ハイデガ-入門」あたりがお手頃でしょうか。

◎ちくま学芸文庫「方丈記」鴨 長明 著 浅見 和彦 校訂
まあ読まないでしょうが。

◎ちくま学芸文庫「土方歳三日記 下: 新撰組副長、鳥羽伏見戦、箱館戦争、そして散華」菊地 明 編著
続きもの。

◎ちくま学芸文庫「ロラン・バルト モード論集」ロラン・バルト
うちにあるバルトは「神話作用」。

◎ちくま学芸文庫「計算機と脳」J.フォン・ノイマン
ノイマンについては「ノイマンの夢・近代の欲望」。

◎ちくま学芸文庫「20世紀思想を読み解く 人間はなぜ非人間的になれるのか」塚原 史
著者は「象徴交換と死」の訳者だからフラン思想のひと。前述の現代思想物の他に「術語集」も加えていいかもしれない。

◎中公文庫「中国史の名君と宰相」宮崎市定
書棚に並ぶ同じ著者では「史記を語る」が近そう。ほかに「謎の七支刀」「東西交渉史論」もある。

◎新潮文庫「絶頂美術館―名画に隠されたエロス」西岡文彦
美術の裏読み本は楽しい。

◎新潮文庫「日本仏教の可能性―現代思想としての冒険」末木文美士
多分、葬式仏教を評価し直すということなのでしょう。死者供養の場にこそ宗教の存在意義はあるということなのかもしれません。

◎河出文庫「西洋音楽史」パウル・ベッカー
うちにあるのは雑学ものばかり。

◎文春文庫「アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ」ジョー・マーチャント
オーパーツ物ではあるが、これは荒唐無稽ではなくいたってまっとうな話。

◎平凡社ライブラリー「ある革命家の思い出 下」P.クロポトキン
先月の続き。

選書
◎講談社メチア「分析哲学入門」八木沢敬
教科書でしか接したことのない分析哲学。著者は日本で受けないことをお嘆きのようですが、どこまで面白そうに紹介できているのか。手に取ってみてもいいかも。

◎講談社メチア「鎌倉仏教への道 実践と修学・信心の系譜」菊地大樹
↓もそうだけど、最近、鎌倉仏教ものが多いような気がする。

◎NHKブックス「法然・愚に還る喜び―死を超えて生きる」町田宗鳳>これは去年の本でした失礼。削除です。

◎NHKブックス「アメリカ黒人の歴史」ジェームス・M・バーダマン
うちのでは「物語アメリカの歴史」が関連書。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「アマテラスと天皇」千葉 慶
近代における天皇制とアマテラスについては「天皇の祭祀」が近いかも。江戸時代におけるアマテラスの変遷は興味がある。

◎吉川弘文館歴史文化ライブラリー「都はなぜ移るのか 遷都の古代史」仁藤敦史

今月の目玉は。
新書では「新しい世界史へ」と「贈与の歴史学」、
文庫では「アンティキテラ」、
選書では「アメリカ黒人の歴史」、
今月は全体にいいのが揃っている。

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