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2010年9月 2日 (木)

『告白』はいい映画か?

小茂根図書館で予約していたCD、チャットモンチー『耳鳴り』を受け取り、ついでに『桜咲く街物語』『伊藤アキラ CMソング傑作選』を借りる。
チャットモンチーは「恋の煙」が目的。
いきものがかりは初期のシングルが5曲も収録されているほぼBEST盤。
伊藤あきらはちょっと調べ物のため。

夜、友人に誘われて渋谷に『告白』を観に行く。
最初の告白からぐんぐん引き込まれ、圧倒されました。良くできた映画です。そしてとても嫌な映画です。
愛する者を殺された主人公が少年法に守られた犯人に復讐するという映画はいくらでもあります。
ハッキリ言いますが、私はそういう映画は嫌いです。
学校のいじめ問題を描いた作品もいくらでもありますが、気持ちのいいものではありません。
つまりこの映画は私が嫌いなことだけを描いた映画なのでいやな映画としか言いようがありません。
おそらく監督は、観客をいやな気分にさせ、なぜこんなに気持ち悪いのだろうと考えさせたくてこの映画を作ったのでしょう。それは見事に成功しています。
キモは松たか子です。素晴らしい女優さんです。冒頭、彼女の淡々とした告白がこの映画を引っ張ります。あおそこで観客の心をグッとつめたからこそ、それ以後の子供たちの型にはまった演技でもドラマが持ったのでしょう。
元教え子の女生徒とファミレスで会い、犯人の動機があまりに幼稚だったことを知り、松たか子が突然笑いだす。
なあんだそんなことでうちの子は殺されたのか。もう悲しみを通り越した乾いた笑いだ。そして彼女と別れた後に路上で嗚咽する。最後に残っていた人間らしさを捨てるような嗚咽。ここの松たか子は圧倒的だ。
そしてラスト。少年のまわりがまるでスポットライトのように丸く開き、彼女はロングコートに包まれて女囚さそりのように登場する。少年をいたぶってから最後に言う「なあんてね」。あんたはそうやって娘を殺したんだよといいたいのか、今までいったことは嘘なんだよと言いう意味か。
付け加えると、多分原作の弱みでもあるんでしょうが、少年Aの母への思慕が犯罪の原因というのがいささか弱いような。それゆえ最後に少年が松たか子に追い込まれていくあたりが(周りの対応も含めて)物足りない。
まあいろいろあるが、こんなに考えさせられてしまったんだからいい映画なんでしょう。

映画を観る前に渋谷のBOOKOFFに寄って新書2冊と文庫1冊。
新書は「武士道とエロス」「フランス革命期の女たち(上)」。
文庫は「ワーグマン日本素描集」。
「武士道とエロス」は氏家幹人の衆道もの。氏の著作では初期の「江戸藩邸物語」「殿様と鼠小僧」「江戸の少年」が書棚にあり、どれも達者の筆致で江戸期の武士を多角的に描いていてはずれはない。
「フランス革命期の女たち」は、ソヴィエト時代のロシアの学者の手によるものだから階級史観に基いた表現に満ちているが、無名の女性革命家などいろいろな女性たちが描かれているというだけで面白かろうと。
「ワーグマン日本素描集」は幕末維新期のスケッチ。

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