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2010年8月21日 (土)

8月の新刊新書文庫から

8月は気になる本がたくさん出ている。

新書では、
◎岩波新書「漢文と東アジア――訓読の文化圏圏」金 文京
日本だけではなく、現在は漢字を使わなくなっている韓国やベトナムでも漢字を導入するときにさまざまな試みがなされて、それぞれの言語を形成していった、という。日本の訓読については「日本文化交流小史」あたりに触れてあったが、東アジア全体を見通した新しい視点かも。
◎岩波新書「前方後円墳の世界」広瀬和雄
邪馬台国、日本神話好きなので、当然古墳に触れた本も手元に多いのだが、考古学者のものでは「古墳文化と古代国家」「古鏡」「論集日本文化の起源〈1〉考古学 (1971年)」あたりと古いものばかり。新しい知見が得られるのか。
◎中公新書「バルセロナ」岡部明子
当然「物語 カタルーニャの歴史」は大いに関係しているだろうし、樺山紘一の歴史エッセイ「カタロニアへの眼」や中沢新一のなんだかよくわからない「バルセロナ、秘数3」なんてのもある。
◎ちくま新書「倭人伝を読みなおす」森 浩一
これも邪馬台国ものだからまともな学説からトンデモ本までいろいろあるけど、今読みなおして何かわかるのだろうか?基本は「魏志倭人伝」なんでしょうけど、著者はこのように切り抜かれた部分ではなく「正史 三国志」全体から読めと言っているようだ。
◎平凡社新書「江戸のことわざ遊び 幕末のベストセラーで笑う」南和男
良く知らない世界だが面白いかも。
◎平凡社新書「モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯」田之倉稔
モーツァルトといっても山口昌男「道化の宇宙」か「魔笛」を扱っている「フリーメイソン」ぐらいだけど、18世紀の文化史として面白そう。
◎文庫クセジュ「十七世紀フランス文学入門」ロジェ・ズュベール
フランス文学史なんて「フランス文学案内」ぐらいしかないし、17世紀フランス文学で持っているのはシラノ・ド・ベルジュラック「別世界または日月両世界の諸国諸帝国」、フェヌロン「テレマックの冒険」のほか「セヴァランブ物語」「アウステル大陸漂流記」とユートピア文学だけ。モリエーヌもラシーヌも見たことがない。というわけでまさしく入門させていただきたい。
◎洋泉社歴史新書y「かぐや姫と王権神話 ~『竹取物語』・天皇・火山神話」保立道久
「かぐや姫の誕生」はいい本だったがこっちはトンデモに近そう。話の種にはなるかも。
◎洋泉社歴史新書y「信長が見た戦国京都 ~城塞に囲まれた異貌の都」河内将
戦国時代の京都については「謎解き洛中洛外図」があるが、これはまた違う視点のよう。
ほかに、岩波新書「『教行信証』を読む――親鸞の世界へ」や講談社現代新書「江戸の気分」、平凡社新書「スターリンの対日情報工作」「武具の日本史 正倉院遺品から洋式火器まで」、角川ワンテーマ21「大魔神の精神史」、新潮新書「もののけの正体―怪談はこうして生まれた」あたりも気になるところ。

文庫では、
◎岩波文庫「緑の家(上)(下)〔全2巻〕」M.バルガス=リョサ
“インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人”って何だ?これは読みたい。
◎講談社学術文庫「日本の鬼  日本文化探求の視角」近藤喜博
手近にあるのは「鬼の宇宙誌」「新編・鬼の玉手箱」あたり。魅力的なテーマではある。
◎講談社学術文庫「明治鉄道物語」原田勝正
鉄道好き故、これは読めば面白いに決まっている。遠縁が新橋ー横浜間の鉄道開業にかかわっていたらしく、おそらく本書にも登場しているのでは。
◎講談社学術文庫「中国春画論序説」中野美代子
中野氏の著作は「孫悟空の誕生」ほか9冊も持っているのでこれも当然期待大。
◎ちくま学芸文庫「日本伝説集」高木敏雄
◎ちくま学芸文庫「魔都上海 日本知識人の「近代」体験」劉 建輝
関連なりそうなのは「上海1930年」「近代アジア精神史の試み」あたり。右翼も左翼も渾然一体だ。
◎中公文庫「海賊の世界史(上)(下)」フィリップ・ゴス
カリブ海の海賊なら「略奪の海カリブ」にあり、地中海から東南アジアまでをまたにかけた「海賊ヴィンターゲルストの手記」なんていうのもある。
◎中公文庫「三千年の海戦史(上)(下)」松村劭
著者の「戦争学」は持っているが、これはどうだろう。
◎平凡社ライブラリー「朱子伝」三浦國雄
儒教とは何か」にも朱子の思想の開設はあるが、とかく難解。人間朱子を描いたといわる本書はさて。
◎平凡社ライブラリー「絶対製造工場」カレル・チャペック
ハードカバーを買い損ねていたので、これは買わなくては。
◎河出文庫「ピエール・リヴィエール---殺人・狂気・エクリチュール」ミシェル・フーコー
良く分らないけどフーコーだから。

また、講談社学術文庫「クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回」とちくま学芸文庫「治癒神イエスの誕生」はともにオリジナルを持っている。

新書よりも文庫の方が充実している。なかでも「海賊の世界史」と「絶対製造工場」は欲しい。

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