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2010年5月14日 (金)

「聖パトリックの煉獄」

駅前の書店で講談社学術文庫の新刊「西洋中世奇譚集成 聖パトリックの煉獄 (講談社学術文庫 1994)」。西洋中世奇譚集成シリーズの3冊目。
内容は“トゥヌクダルスの幻視”と“聖パトリキウスの煉獄譚”という12世紀アイルランド発の冥界巡り譚2篇を収録したもの。前者は私の持ってる別な本ではツンダルともトンダールともトゥンダロとも表記されている。ラテン語の表記とは難しいもののようだ。

私の書棚のなかで本書に出てくる2篇に触れているのは、「狼男伝説」池上俊一、「地獄の歴史」アリス・ターナー、「ケルト神話と中世騎士物語」、田中仁彦、「ヨーロッパの死者の書」竹下節子の4冊で、本シリーズのプロデューサーでもある池上氏の著作が分量的にもバランス的にも2篇について詳しく、「地獄の歴史」は“幻視”に詳しく「ケルト神話…」は“煉獄”に詳しい。
“幻視”にのみ触れているのが「ヨーロッパ中世の心」今野國雄。“煉獄”に触れているのが「中世の夢」ジャック・ルゴフと「聖ブランダン航海譚」藤代幸一。
ただし本来このテーマならル・ゴフは「煉獄の誕生」を読んどかなければいけないはずで、「中世の夢」は話の枕とし触れられているにすぎない。
幻視ものの系譜では「ベーダ英国民教会史」、「農夫ピアズの幻想」がある。
これら中世ヨーロッパのの冥界巡り物語のひとつの到達点としてダンテ「神曲」があるというわけだ。
というわけで、ここまで関連書をもっていては、その原典たる本書を買わない理由はないということになる。

また本書とは直接関係ないが、道賢上人など日本における冥界巡りを取り扱ったものとしては「地獄めぐり」川村邦光がある。


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